サン=サーンス/ホルン作品

演奏会用小品&2つのロマンス/ウルリヒ・ビューブナー(2007)
CD(Ars ARS38 027)

 秋の歌/フランスのホルン音楽
 1.サン=サーンス/演奏会用小品へ短調Op9
 2.    〃    /ロマンス ヘ長調Op36
 3.ラドゥー/瞑想
 4.ペサール/森でOp130
 5.ジャンジャン/夜想曲
 6.クンツ/夜想曲
 7.ジャンジャン/ロマンス
 8.ギユミン/秋の歌
 9.ストロング/Hallali
10.シャブリエ/ラルゲット
11.デュボワ/カヴァティーナ
12.マスネ/海、シューベルトの歌
13.ブラン/ロマンスOp43bis
14.サン=サーンス/ロマンス ホ長調Op67

  ウルリヒ・ビューブナー(ナチュラルホルン) 
          (2、10、12〜14)
  ウルリヒ・ビューブナー(ヴァルヴホルン)
           (1、3〜9、&11) 
 マイケル・アレグザンダー・ウィレンズ指揮
      ケルン・アカデミー 
   録音 2007年1月2〜6日

 ドイツのホルン奏者ウルリヒ・ビューブナーはアニマ・エテルナ、コンチェルト・ケルン、バルタザール・ノイマン・アンサンブル等で活躍するナチュラルホルンの名手。彼はシュトゥットガルトでヘルマン・バウマンに師事、そしてケルンでエーリヒ・ペンツェルに師事したのち、5年ほどはモダン・ホルンで活動していました。
 そのドイツのホルン奏者が フランスの楽器ラウーのナチュラルホルンと初期のヴァルブホルンで演奏したこのアルバムは大変画期的なものです。本来ならばフランス風の明るいヴィブラートをきかした音が聞かれそうなこのフランス音楽を、純音楽として新しい視点から聴くことができます。ドイツから憧れのフランスを見るようなそんな雰囲気です。
 サン=サ−ンスの3曲を一度に録音したホルン奏者は初めてですが、2つのロマンスをナチュラルホルンで吹いた例は過去にありません。これが大変見事な歌で、このロマンスを見直すほどです。イメージが変わります。1曲目の演奏会用小品はヴァルブホルンですが後半フレーズの違いがあり高音を低い方で吹いていました。
 シャブリエのラルゲットをナチュラルホルンで聞くのもまた興味深く、実に神秘的で雄大な曲になっています。バウマンに引けをとらない名演でしょう。
 他の曲も19世紀の作曲家の作品で、こちらはほとんど忘れられた作品ばかりです。マスネの作品はカタログに載ったことがない曲で3分ほどの小品です。アルバムとしては聴き応えのある、価値あるものです。瞑想かきたてるロマンティックな作品集です。


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