ブリテンのホルン作品

デニス・ブレインの追憶に/トンプソン、ワトキンス他(2008)
CD(NMC NMC D140)

知られざるブリテンの作品集
1.イリュミナシオン
   (コリン・マシューズ補作の追加された3曲付き)
2.ロンド・コンチェルタンテ〜ピアノと弦楽のための
3.デニス・ブレインの追憶に
      〜4つのホルンと弦楽のための
4.無題のフラグメント〜弦楽のための
5.変奏曲 〜ピアノのための
6.クラリネット協奏曲のための楽章 
   (第1、3楽章:コリン・マシューズによる補作)

  サンドリーヌ・ピオー(ソプラノ)(1)
  ロルフ・ハインド(ピアノ)(2&4)
  マイケル・トンプソン(ホルン)(3)
  リチャード・ワトキンス(ホルン)(3)
  ピーター・フランコウム(ホルン)(3)
  クリス・グリフィス(ホルン)(ホルン)(3)
  マイケル・コリンズ(クラリネット)(6)
  トーマス・ツェートマイアー指揮
    ノーザン・シンフォニア(1〜4&6)
   録音 2009年1月14&15日(1)
       2008年5月22&23日
 このアルバムはブリテンのほとんど知られていない作品を収録した珍しいものです。「イリュミナシオン」は有名な作品ですが、ブリテンが10曲に追加しようとしていた3曲の草稿をコリン・マシューズが補筆完成させたものです。ピオーのソプラノが素晴らしいです。ピアノのロンド・コンチェルタンテは2楽章の未完の作品で、これをコリン・マシューズが補筆完成したものです。
 1957年9月に亡くなったデニス・ブレインを偲んで作曲を始めた「デニス・ブレインの追憶に」は未完成のスケッチのままに終わっていた作品で、メニューインへ宛てた手紙によれば1958年夏のオールドバラ音楽祭で初演するつもりだったようです。2楽章で4分足らずの曲です。第1楽章:イントロダクションは4つのホルンの和音で嘆きを表しているかのようです。第2楽章:アレグロは狩のロンドとも言えそうな楽しい曲で、4本のホルンが楽しそうに鮮やかなタンギングを披露しています。手書きのスケッチから完成させたのがコリン・マシューズです。未完の作品だけに4本のホルンが消えるように終わります。
 名もないフラグメント(断片)は弦楽の作品、クラリネット協奏曲は1942年に手がけた未完の作品で、これもコリン・マシューズが補筆完成しています。ベニー・グッドマンを想定したそうでかなり技巧的な作品です。


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