テレマン/ホルン作品

ホルン協奏曲ニ長調、他/ブルース・アトウェル(2009)
CD(CENTAUR CRC3221)

ホルンと弦楽のためのバロック時代の音楽 
 1.フェルスター/ホルン協奏曲第2番変ホ長調
 2.テレマン/ホルン協奏曲ニ長調
 3.フィック/ホルン協奏曲変ホ長調
 4.クヴァンツ/ホルン協奏曲第3番変ホ長調
 5.テレマン/ヴァイオリン、ホルン、チェロと
     通奏低音のための協奏曲
 6.ペツォールト/トリオ・ソナタ ヘ長調
 7.グラウン/ヴァイオリン、ホルンと
     通奏低音のための三重奏曲ニ長調 
   ブルース・アトウェル(ホルン)(1〜7)
  ジェフリー・マイヤー指揮
  サンクトペテルブルク室内フィルハーモニック(1〜4)
  スーザン・ウォーターブリー(ヴァイオリン)(5〜7)
  ハイディ・ホフマン(チェロ)(5〜7)
  ガブリエル・シューフォード(チェンバロ)(5〜7)
   録音2009年3月(1〜4)
      2009年5月(5〜7)

  ブルース・アトウェルはアメリカのホルン奏者、ウィスコンシン大学オシュコシュ校の教授で、ミルウォーキー・バレエ・オーケストラ、グリーンベイ交響楽団、フォックス・バレー交響楽団、オシュコシュ交響楽団の首席奏者です。このアルバムは18世紀バロック時代のホルン作品を収録しています。協奏曲はサンクトペテルブルクで録音していますのでホールトーンの豊かなきれいな響きです。
  フェルスター(1693〜1745)のホルン協奏曲は有名な1番ではなく2番のほうですがこの2番の録音はウーヴェ・コミシュケのコルノ・ダ・カッチャの演奏があるだけで、フレンチホルンでの録音は初めてです。やはりホルンの演奏はきれいです。ナチュラルホルンでの演奏は難しいと思われます。テレマン(1681〜1767)のホルン協奏曲は多くの録音がありますがこのアトウェルの演奏もきれいな響きです。
  フィック(?〜1743)のホルン協奏曲変ホ長」はペーター・ダムとウーヴェ・コミシュケの録音があるのみでアトウェルの録音が加わるのは嬉しいことです。このアトウェルの演奏は一番ホルンらしい響きの演奏です。ダムはディスカント・ホルン、コミシュケはコルノ・ダ・カッチャでした。
  クヴァンツ(1697〜1773)のホルン協奏曲第3番はタックウェルによって初めて紹介されましたが、その後はこれもウーヴェ・コミシュケのコルノ・ダ・カッチャの録音があるのみで23年ぶりの新録音です。実にロマンティックな作品ですのでもっと録音してほしいものです。
  テレマンのヴァイオリン、ホルン、チェロと通奏低音のための協奏曲は「アレグロ」「リゴードン」「パスピエ」「ジーグ」の4つの小品の組曲です。ホルンの隠れた作品として世に出してくれたことに感謝したいと思います。
  ペツォールト(1677〜1733)はドイツのオルガン奏者でした。ホルン、ヴァイオリンと通奏低音のためのトリオ・ソナタは「アレグロ」「アダージョ」「アレグロ」の3つの楽章の作品ですが、ホルンの華やかな響きが全曲にわたり響きます。
  グラウン(1701〜1759)はホルン協奏曲も作曲していますが、ヴァイオリン、ホルンと通奏低音のための三重奏曲はホルン三重奏曲の元祖かもしれません。編成だけでなく、ヴァイオリン、ホルンとチェロが対話するように演奏しています。主題の受け継ぎだけではなく互いに支えながら和音も作る高度な作品です。モーツァルト以前にこのよな作品が存在したことは驚きです。
  このアルバムはあえてナチュラルホルンやディスカントホルンを使わずにフレンチホルンでバロック作品を紹


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