狩の音楽

聖フーベルト・ミサ/ジャパン・ホルン・クインテット
CD(SENZOKU GAKUEN SZCD-0018)

 1.リード/エル・カミーノ・レアル(小林健太郎編)
 2.ゼイフリート/5つのホルンのための小組曲
 3.エルナンデス/エル・クンバンチェロ
               (小林健太郎編)
 4.ターナー/テトゥアンのカスバ
5.シュティーグラー/聖フーベルト・ミサ
  ジャパン・ホルン・クインテット
  山岸 博 (ホルン)(読響首席)
  久永 重明(ホルン)(読響首席)
  西條 貴人(ホルン)(東京都響首席)
  上間 善之(ホルン)(東京響首席)
  勝俣 泰  (ホルン)(N響団員)
  関   聡(ドラムス)(3)
  指宿 克典(パーカッション)(3)
  録音 2011年8月8&9日
      2012年1月21&23日
  洗足学園音楽大学ブラックホール・スタジオ

 ジャパン・ホルン・クインテットの第1弾でジャパン・ホルン・クァルテットからは第4弾目のアルバムです。2010年のコンサートに勝俣氏がゲスト出演して以来5人のメンバーになったようです。ホルン・クインテットはオリジナル作品もあり今後の活動が楽しみです。
  アルフレッド・リードの「エル・カミーノ・レアル(王の道)」は吹奏楽の作品でホルンで演奏するのは冒険かもしれませんが、小林健太郎の編曲はホルン・アンサンブルのための作品そのものです。聴く者を圧倒する名演で、5本のホルンで厚みを増した響きが素晴らしい。
  ゼイフリートの5つのホルンのための小組曲はホルン・アンサンブルの定番になりつつあり、和音の美しさやオルガンのような深い響きがあります。5つの小品の組曲で第1曲「アウフタクト」はフレーズのつながりが面白く、第2曲「行進曲」は忍び足風の歩みを感じさせる冒頭が楽しいです。第3曲「スケルツォ」はフーガのようにフレーズの受け渡しがあります。またゆったりとした中間部があります。第4曲「間奏曲」はノクターンのように穏やかなテンポでホルンの和音の美があります。第5曲「フィナーレ」は速いテンポで鮮やかな演奏が聞かれます。
  エルナンデスの「エル・クンバンチェロ」はラテン・ナンバーの名曲ですが、ホルン五重奏にドラムスとパーカッションが加わります。さすがにホルンだけでは響きに物足りなさがあるからでしょう。ここではアドリブが入って楽しい演奏になりました。
  ケリー・ターナーの「テトゥアンのカスバ」はモロッコの世界遺産の風景を題材にした作品で8分を超えます。後半に夜の風景のような場面に鳥の笛やパーカッションが入りますが、これはメンバーが演奏しているようです。素晴らしい作品で演奏の緻密さは抜群です。聞き応え十分の名演です。
  カール・シュティーグラーの「聖フーベルト・ミサ」は数ある「聖フーベルト・ミサ」の代表でしょう。ウィンナホルンの父といわれたシュティーグラーがホルンアンサンブルのために書いたこの作品は8つの小品からなる組曲です。ホルンの充実した響きはオルガンのようで、ジャパン・ホルン・クインテットの演奏は数ある演奏の中でも特筆すべきものです。


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