狩の音楽

ラートゲーバー/2つのコルノ・ダ・カッチャのための協奏曲/ギュトラー
CD(BERLIN Classics 0013152BC)

1.ヘンデル/トランペット、2つのオーボエ、
   ファゴットと弦楽のための組曲ニ長調
2.モルター/ホルン協奏曲ニ長調
3.ヘルテル/トランペット協奏曲第2番変ホ長調
4. 〃  /トランペット、オーボエと
       弦楽のための協奏曲変ホ長調
5.ラートゲーバー/2つのホルン、2つのヴァイオリンと通奏低音のための協奏曲ニ長調Op6−17
6.シュペルガー/トランペット協奏曲ニ長調
  ルートヴィヒ・ギュトラー(トランペット)(1、3、4&6)
      〃   (コルノ・ダ・カッチャ)(2&5)
  クルト・ザンダウ(コルノ・ダ・カッチャ)(5)
  ルートヴィヒ・ギュトラー指揮
    ザクセン・ヴィルトゥオーゾ
   録音 1987年5月&9月
       1988年2月

 ルートヴィヒ・ギュトラーがトランペットとコルノ・ダ・カッチャを吹き分けて録音したアルバムです。コルノ・ダ・カッチャはヴァルブのついた楽器で狩猟ホルンとは別物です。形状はディスカントホルンのようですが、右手でヴァルブを操作して演奏します。
 ヘンデルの「トランペット、2つのオーボエ、ファゴットと弦楽のための組曲ニ長調」は5つの曲からなる組曲です。序曲は水上の音楽に使われていますのですぐにわかりますが、ここではホルンは使われていません。
 モルター(1695〜1765)のホルン協奏曲ニ長調はコルノ・ダ・カッチャで吹いています。モルターは大バッハよりも10歳若い作曲家です。ドイツの宮廷作家で管楽器の協奏曲やオペラを残していました。この協奏曲は第1楽章:アレグロ・モデラート。第2楽章:ラルゴ、第3楽章:アレグロの典型的な様式で作られています。ラルゴの美しさは絶品です。第3楽章は技巧的な曲で飛び跳ねるような主題が聞かれます。
 ヨハン・ウィルヘルム・ヘルテル(1727〜1789)はシュヴェリンの宮廷楽長をつとめていて、シンフォニアやトランペット協奏曲などを作曲しました。ここではトランペット協奏曲第2番変ホ長調とトランペット、オーボエ、弦楽と通奏低音のための協奏曲変ホ長調を演奏しています。いずれも華やかな響きの作品です。トランペットとオーボエの協奏曲では第2楽章:アリオーソのソロはオーボエだけで演奏されます。
 ラートゲーバーの2つの狩猟ホルン、2つのヴァイオリンと通奏低音のための協奏曲は編成の小さい協奏曲で3つの楽章で4分ほどの短い作品です。通奏低音でオルガンが使われています。
 シュペルガー(1750-1812)のトランペット協奏曲ニ長調は古典派時代の豪華な響きの作品です。2つの楽章だけで構成されていますがハイドンの協奏曲と比べてもひけをとらない素晴らしい作品です。ギュトラーのカデンツァの見事な演奏も聞きものです。


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