ライネッケのホルン作品

三重奏曲変ロ長調/ヤスパー・デ・ワール(2012)
CD(Channel Classics CCS SA-34014)

 1.ブラームス/ホルン三重奏曲変ホ長調Op40
 2.シューマン/アダージョとアレグロOp70
 3.ライネッケ/クラリネット、ホルンとピアノのための
       三重奏曲変ロ長調Op274

  ヤスパー・デ・ワール(ホルン)(1〜3)
  カンディダ・トンプソン(ヴァイオリン)(1)
  ハンス・コルバース(クラリネット)(3)
  フランク・ファン・デ・ラール(ピアノ)(1〜3)
  録音 2012年4月

  ヤスパー・デ・ワールは2004〜2012年のシーズンにロイヤル・コンセルトへボウの首席ホルン奏者をつとめていました。このアルバムはその卓越した表現力をしめした素晴らしいものになりました。
  ブラームスのホルン三重奏曲はなんといってもやわらかで明るいホルンの響きにうっとりです。堅いイメージのこの作品は第2楽章や第4楽章でバリバリ力強く演奏することが多いのですが、デ・ワールの演奏は力まず音色の美しさ、作品の美しさを極めたものとして絶賛したいものです。ペーター・ダムのように明るく美しい演奏です。アダージョの美しさは絶品、フィナーレも力まず速すぎず魅力あふれるブラームスです。
  シューマンのアダージョとアレグロは軽いビヴラートのかかったホルンの響くアダージョが素晴らしい。多くの録音が存在しますがこの演奏は存在感のある見事なものです。アレグロの流麗な演奏もまた素晴らしく、ピアノの響きともども申し分ありません。
  ライネッケのクラリネット、ホルンとピアノのための三奏曲変ロ長調はオーボエ、ホルンとピアノのための三重奏曲イ短調と並ぶ名曲です。オーボエの入るイ短調とは違って落ち着いた響きの作品です。4つの楽章で構成され第3楽章にスケルツォがおかれています。力強い表現の部分でもホルンは滑らか演奏をしています。スケルツォのホルンはきれいなタンギングが印象的で、この作品の代表的な演奏といって良いでしょう。


トップへ
戻る
前へ
次へ




inserted by FC2 system