ホルンとハープの為の音楽

クーツィール/ホルンとハープのためのソナタ/ジェームズ・ボルディン(2012)
CD(MSR MS1393)

ヤン・クーツィール/ホルン作品集 
1.ホルンとピアノのためのソナチネOp59−1
2.ロマンツァ(ロマンス)Op59−2
3.ホルンとピアノのための変奏曲Op59−3
4.輝かしいスケルツォOp96
5.独奏ホルンのための13のエチュードOp117
    〜第8番「春の祭典」のリズムによる
6.ホルンとオルガンのためのコラール幻想曲Op89
7.ホルンとハープのためのソナタOp94

   ジェームズ・ボルディン(ホルン)
   リチャード・セイラー(ピアノ)(1〜4)
   マシュー・マクマハン(オルガン)(6)
   ジェイミー・へフナー(ハープ)(7)
  録音 2012年8月6日&12月17〜19日

   アメリカのホルン奏者ジェームズ・ボルディンが録音したヤン・クーツィール(1911〜2006)のホルン作品です。クーツィールはオランダの作曲家でホルンのためにはホルン四重奏などの作品も作曲していますが、ここではホルンとピアノ、独奏ホルン、ホルンとオルガン、ホルンとハープのための作品が録音されています。
  作品59の3つの作品ではロマンスだけがすでにゲイル・ウィリアムズなどの録音がありますが、ソナチネと変奏曲の2曲はこれが世界初録音です。ホルンとピアノのためのソナチネOp59−1は冒頭の主題が哀愁的で初めて聞いたとは思えない親しみを感じます。3つの楽章からなる作品で第3楽章:プレストは狩りのホルンのような軽快な作品です。楽しい作品です。
  ホルンとピアノのためのロマンツァ(ロマンス)Op59−2はゲイル・ウィリアムズと日高剛の録音があり、その愛らしい作品は1972年の作品とは思えない美しさがあります。
  ホルンとピアノのための変奏曲Op59−3は世界初録音です。作品番号は59−3ですが作曲は1986年です。下付吹きホルンのための作品で低音を多く使います。作品はミヒャエル・ヘルツェルに献呈されています。
  輝かしいスケルツォOp96は1983年にマリー=ルイズ・ノイネッカーのために書かれています。ピアノのきらめきも素晴らしい作品です。ホルンは動きの激しいフレーズが続きます。他にゲイル・ウィリアムズの録音があります。
  独奏ホルンのための13のエチュードOp117は1989年の作品でペーター・ダムに献呈されています。ここでは第8番の「春の祭典」のリズムによるエチュードが演奏されていますが、リズムが「春の祭典」のようになっているだけで「春の祭典」の引用ではありません。他にバボラークが録音しています。
  ホルンとオルガンのためのコラール幻想曲Op89は1981年の作品でミヒャエル・ヘルツェルに献呈されています。オルガンのコラールのように宗教的な響きが見事な作品です。他にトマス・クロームの録音があります。
  ホルンとハープのためのソナタOp94は数少ないホルンとハープのためのオリジナル作品です。1983年の作曲でマンフレッド・モーリシャトのために書かれています。フランスの香りもする素晴らしい作品で3つの楽章で構成され17分の大作です。他にバボラークとヘルマンソンの録音があります。
  ジェームズ・ボルディンの演奏は完璧で若手ながら将来が楽しみです。


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