モーツァルト/ホルン協奏曲全集

ピップ・イーストップ(2013)
CD(hyperion CDA68097)

モーツァルト/ホルン協奏曲全集
1.ホルン協奏曲第2番変ホ長調K417
  (ハルステッド&イーストップ再構築版)
2.ホルン協奏曲第4番変ホ長調K495
3.ホルン協奏曲第3番変ホ長調K447
4.ホルン協奏曲第1番ニ長調K412&514
  (スティーヴン・ロバーツ再構築版)
5.ホルン五重奏曲変ホ長調K407

  ピップ・イーストップ(ナチュラルホルン)
  アントニー・ハルステッド指揮
    ハノーヴァー・バンド(1〜4)
  エロイカ四重奏団(5)
  録音 2013年10月15〜18(1〜4)
      2011年2月18日(5)

 ピップ(フィリップ)・イーストップはイギリスのホルン奏者で、ナチュラルホルンの名手です。イギリスにはナチュラルホルンの名手が多いですが、そのナチュラルホルンの名手ハルステッドの指揮でモーツァルトのホルン協奏曲全集を録音しました。
 第2番はハルステッドとイーストップによる再構築版で第1楽章にカデンツァが挿入されています。長いカデンツァでナチュラルホルンの限界に挑むような名演です。ロンドにも短いカデンツァが入ります。
 第4番の演奏を聴くと大変難しいようで冒頭はちょっとたどたどしく聞こえます。それだけナチュラルホルンを吹く難しさが感じられます。音色はストップ音をうまく出してつまって聞こえないようにしています。そのストップ音が多い4番を流暢に吹いてくれます。カデンツァはハイトーンから低音まで使う素晴らしいものです。第2楽章はロマンティックな演奏、ロンドは速いテンポで見事な演奏です。そしてコーダ前のカデンツァが長く、ハイトーンも出していてびっくりです。
 第3番はレガートのきれいなみごとなホルンを聞かせてくれます。トリルがきれいなのも聞きどころ。この楽器特有の太い音がきこえないのも特徴です。再現部前にも冒頭と同じホルンのソロを吹いているのに驚きます。カデンツァがまた凝ったものです。ここではストップ音を強調しています。第2楽章:ロマンツェの豊かな表現力は見事です。ロンドではフェルマータのあとに即興が入ります。
 第1番はD管のためやや太目の響きが聞こえます。第2楽章でロバーツの再構築版が演奏されています。ハンフリーズ再構築版と若干の違いがあります。なお即興のフレーズはありますがカデンツァは入りません。 
 ホルン五重奏曲はエロイカ四重奏団との共演です。ホルンはレガートのきれいな素晴らしい響きが聴かれます。第2楽章の優雅な響きも素晴らしい。第3楽章の演奏も見事で短いカデンツァが入ります。


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