ナチュラルホルンの録音

ブラームス/ホルン三重奏曲/塚田 聡(2013)
CD(浜松市楽器博物館 LMCD-1995)

 森の響き/ブラームスの魅力
 1.ヴァイオリン・ソナタ第1番ト長調Op78
             「雨の歌」
 2.4つのクラヴィア小品集Op119
     1)間奏曲ロ短調
     2)間奏曲ホ短調
     3)間奏曲ハ長調
     4)ラプソディ 変ホ長調
3.ホルン三重奏曲変ホ長調Op40

  桐山 健志(ヴァイオリン)(1&3)
  小倉貴久子(フォルテピアノ)(1〜3) 
  塚田 聡(ナチュラルホルン)(3)
    録音 2013年4月30日〜5月2日

  浜松市楽器博物館のコレクションシリーズの1枚。塚田聡のナチュラルホルンの響きが楽しめます。
  ヴァイオリン・ソナタ第1番はブラームスが45歳のときの作品で交響曲第2番を完成した翌年に書いています。ヴァイオリン協奏曲Op77のソロパートを改訂中に書き始めたようです。この充実した時期の作品らしくブラームスの魅力あふれる作品です。第3楽章に歌曲「雨の歌Op59−3]の主題が使われています。
  4つの小品Op119は1892年ブラームスが59歳のときの作品。ここではフォルテピアノを使って演奏されています。
  ホルン三重奏曲は塚田聡がナチュラルホルンを吹いて演奏しています。ヴァイオリンが主題を提示するとそれに続いてホルンがあまい音色で主題を吹きます。このヴァイオリンとホルンの対話にピアノが語りかける作品はホルン作品の中でも最も有名な作品のひとつです。この三重奏曲はナチュラルホルンのために書かれていました。ブラームスはウィーン・ヴァルトホルン・クラブで狩のホルンを吹いていたこともあってホルンの奏法についてはよく知っていました。この三重奏ではハンドストップをかなり使いますがその音色が大変きれいです。強い音では時に金属的に響きますが、ほとんど違和感なく聞こえています。スケルツォの速いテンポでも音程はくずれることなく見事な演奏です。アダージョの美しい響きは素晴らしい。フィナーレの演奏もヴァルブ付きのホルンを吹くようにすらすら吹いています。なお吹いている楽器は1800年代前半のクルトワでフランスの楽器は音色がきれいです。


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