プーランク/エレジー

アンドレ・カザレ(2009)
CD(inde SENS INDE013)2枚組

プーランク/室内楽作品集
 CD1
1.廃墟を見守る笛吹きの像〜無伴奏フルートの為の
2.クラリネットとファゴットのためのソナタ
3.2つのクラリネットのためのソナタ
4.ピアノ、オーボエとファゴットのための三重奏曲
5.ホルン、トランペットとトロンボーンのためのソナタ
6.ピアノと管楽器のための六重奏曲
CD2
7.クラリネット・ソナタ(1962)
8.フルート・ソナタ(1957)
9.オーボエ・ソナタ(1962)
10.ホルンとピアノのためのエレジー(1957)

  ヴァンサン・リュカ(フルート)(1、6&8)
  フィリップ・ベロー(クラリネット)(2、3、6&7)
  オリヴィエ・ドルベッセ(クラリネット)(3)
  アレクサンドル・ガッテ(オーボエ)(4、6&9)
  マルク・トレネル(ファゴット)(2、4&6)
  クレール・デセール(ピアノ)(4&6)
  フランシス・オーヴァル(ホルン)(5)
  フレデリック・メヤルディ(トランペット)(5)
  ギョーム・コテ=デュムラン(トロンボーン)(5)
  アンドレ・カザレ(ホルン)(6&10)
  エマニュエル・シュトロッセ(ピアノ)(7〜10)
  録音 2009年7月(1)
      2006年8月(5)
      2009年(2〜4&6〜10)

 パリ管弦楽団のソリスト達によるプーランクの室内楽作品です。
  「廃墟を見守る笛吹きの像」は無伴奏フルートのための小品で1997年に発見された作品です。物悲しい歌で、リュカの録音が世界初録音になります。
  「クラリネットとファゴットのためのソナタ」は1922年の作品。この2つの楽器の組み合わせはベートーヴェンの作品もあって相性がよく良い響きになりますので聞いていて楽しくなります。
  「2つのクラリネットのためのソナタ」は1918年19歳の作品です。2本のクラリネットだけのオリジナル作品は他にほとんど見られないですが、クラリネットのための重要なレパートリーになっています。
  「ピアノ、オーボエとファゴットのための三重奏曲」は1926年の作品。3つの楽章で構成されていて実にロマンティックな作品です。パリの演奏家の響きは一味違います。
  「ホルン、トランペットとトロンボーンのためのソナタ」はパリ管首席の二人と62歳のオーヴァルが共演した演奏です。フランスの金管によるきれいな演奏です。
  「ピアノと管楽器のための六重奏曲」は1930〜32年の作品。フランスの管楽器の響きを楽しめる名曲です。3つの楽章で構成されています。パリ管の名手たちの演奏はお家芸ともいえる名演をきかせてくれます。
  「クラリネット・ソナタ」は1962年のプーランク最後の作品でした。初演はプーランクの死後1963年にニューヨークでベニー・グッドマンのクラリネット、バーンスタインのピアノで行われました。第1楽章にはフルート・ソナタの主題のようなフレーズが出てきます。現代においてもクラリネットの重要なレパートリーになっています。
  「フルート・ソナタ」は1957年に作曲され、ストラスブール音楽祭でランパルのフルート、プーランクのピアノで初演されたフルート・ソナタの名曲で、傑作といわれます。フルート奏者がこぞって演奏する作品でフルートの魅力と響き、そしてテクニックを示す作品として重要なレパートリーの1曲です。
  「オーボエ・ソナタ」は1962年の作品で「プロコフィエフの思い出に」として作曲しましたがまもなくプーランクも亡くなり遺作といっても良い作品です。1963年にピエール・ピエルロのオーボエ、ジャック・フェヴリエのピアノで初演されました。オーボエの重要なレパートリーのひとつです。
  「ホルンとピアノのためのエレジー」は1957年に亡くなったデニス・ブレインを偲んでプーランクが作曲した名曲です。最初にデニス・ブレインのテーマ、そして事故で車がクラッシュする音がグリッサンドで表現されます。あとは奥深い響きのホルンがエレジーを歌います。アンドレ・カザレは1989年にこのエレジーを録音していましたので20年ぶりの再録音です。明るい響きのホルンは暗さを感じさせません。


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