サン=サーンス/ホルン作品

ロマンスOp36&Op67/アンドレ・カザレ(2009)
CD(inde SENS INDE021)2枚組
  
サン=サーンス/管楽器のための室内楽作品全集
CD1
1.七重奏曲変ホ長調Op65
2.ホルンとピアノのためのロマンス ヘ長調Op3
3.クラリネット、フルートとピアノのための
                 タランテラOp6
4.白鳥〜動物の謝肉祭より
5.象〜動物の謝肉祭より
6.フルートとピアノのためのロマンス ヘ長調Op37
7.トロンボーンとピアノのための
               カヴァティーナOp144
8.ホルンとピアノのためのロマンス ホ長調Op6
9.デンマークとロシアの歌による奇想曲Op79
10.私の心はあなたの声に開く
          〜「サムソンとデリラ」より
CD2
11.クラリネット・ソナタ変ホ長調Op167
12.ファゴットとピアノのための祈りOp158
13.オーボエ・ソナタ ニ長調Op166
14.フルートピアノのためのオデレットOp162
15.ファゴット・ソナタ ト長調Op168

  フレデリック・メヤルディ(トランペット)(1)
  千々岩英一(ヴァイオリン)(1)
  アンジェリク・ロイエ(ヴァイオリン)(1)
  アナ・ベラ・チャヴェス(ヴィオラ)(1)
  エマニュエル・ゴーゲ(チェロ)(1)
  ベルナール・カゾーラン(コントラバス)(1)
  アンドレ・カザレ(ホルン)(2&8)
  ヴァンサン・リュカ(フルート)(3、6、9&14)
  オリヴィエ・ドルベッセ(クラリネット)(3&9)
  イヴ・ドー(コントラ・ファゴット)(4&5)
  ギョーム・コテ=デュムラン(トロンボーン)(7)
  アレクサンドル・ガッテ(オーボエ)(9&13)
  マルク・トレネル(ファゴット)(10、12&15)
  ローラン・ヴァグシャル(ピアノ)(1〜10)
  フィリップ・ベロー(クラリネット)(11)
  パスカル・ゴダール(ピアノ)(11〜15)
  録音 2009年

  パリ管弦楽団のソリスト達によるサン=サーンスの室内楽作品です。
  七重奏曲変ホ長調はピアノと弦楽五重奏にトランペットが加わった珍しい編成の作品です。トランペットは協奏曲のように重要な主題を吹きますので小編成のトランペット協奏曲のようでもあります。第2楽章では主題の提示のあとに弦楽とユニゾーンで吹くとこころは不思議な響きです。第3楽章には弦楽の主題も聴かれます。第4楽章冒頭はピアノと弦楽の響きが大変きれいです。
  ホルンとピアノのためのロマンスヘ長調Op36はサン=サーンスのホルン作品の中でも演奏回数の多い作品です。オーケストラ伴奏もあるのですがピアノ版も多くの録音があります。カザレのホルンはフランスのホルンのイメージはなく、イギリス系のホルンのようにノンビブラートですがホルンの響きの美しさがあります。
  クラリネット、フルートとピアノのためのタランテラは1857年22歳の時の作品。フルートとクラリネットの華麗な響きを生かした作品で、メンデルスゾーンのスケルツォを思わせます。
  「白鳥」は「動物の謝肉祭」の中の1曲でチェロのソロですが、ここではなんとコントラファゴットの重低音で演奏しています。オクターブ低いのでコントラバスで演奏しているかのようです。「象」も同じです。原曲ではコントラバスの演奏ですからコントラファゴットでも違和感はありません。 
  「フルートとピアノのためのロマンス」は1874年の作品でホルンのロマンスOp36と同時期に書かれてます。大変美しいロマンスです。
  「トロンボーンとピアノのためのカヴァティーナ」は1915年の作品。トロンボーンのオリジナル作品として有名です。
  「ホルンとピアノのためのロマンスOp67」は原曲がチェロとピアノのための組曲作品16ですが、ショーシエがホルンのために編曲しています。演奏が難しい作品ですがカザレは滑らかなレガートで素晴らしい響きを出しています。 
  「デンマークとロシアの歌による奇想曲」はフルート、オーボエ、クラリネットとピアノのための作品で華麗な響きの冒頭は聞きものです。フランスの管楽器の魅力あふれる演奏です。
  「私の心はあなたの声に開く」は歌劇「サムソンとデリラ」の中のアリアです。これをファゴットとピアノで演奏しています。たいへんきれいなアリアです。
  「クラリネット・ソナタ変ホ長調」は最晩年1921年の作品の中の1曲です。85歳とは思えないメロディの豊富さに驚きます。4つの楽章で構成されています。
  「ファゴットとピアノのための祈り」はまさに祈りの歌です。ファゴットの響きがまた素晴らしい。「オーボエ・ソナタ」は1921年の作品、この作品も85歳の作品とは思えない完成度の高さがあります。3つの楽章で構成されています。
  「フルートピアノのためのオデレット」は1920年の作品、原曲はフルートと管弦楽のために書かれていました。ピアノ版は作曲者自身によります。
  「ファゴット・ソナタ ト長調」は1921年最晩年の作品です。管楽器のための最後の作品で3つの楽章で構成されています。第1楽章の天国的な美しさはなんということでしょう。ファゴット・ソナタの傑作でしょう。


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