ブラームス/ホルン三重奏曲

マリー・ルイーズ・ノイネッカー(2010)
CD(BIS BIS-SACD-1859)

1.ブラームス/ホルン三重奏曲変ホ長調Op40
2.カレヴィ・アホ/ソロ X(2010)
3.リゲティ/ホルン三重奏曲(1982)

  マリー・ルイーズ・ノイネッカー(ホルン)
  アンティエ・ヴァイトハース(ヴァイオリン)
   シルケ・アヴェンハウス(ピアノ)
   録音2010年7月(1&3)
      2011年7月(2) 

 ノイネッカーのブラームスはサヴァリッシュ、ツィンマーマンと共演した1996年の録音があります。大変良い演奏でしたがこの新録音はまさに歌うブラームスといって良いでしょう。丁寧に吹くだけでなく歌うことで音楽が生き生きしてきます。ピアノのきらめき透明感のあるヴァイオリンと素晴らしい響きが広がる第1楽章。ホルンのわくわくするような希望に満ちた演奏の第2楽章、ピアノの優雅な響き、ロマンスのようなヴァイオリンとホルンが美しい第3楽章、そして弾むような鮮やかな演奏のフィナーレは完璧なまでのフレージングとタンギングのうまさ。ノイネッカー久々の録音はサラ・ウィリスに対抗したかのように女性3人による演奏です。勢いのあるフィナーレの演奏は絶品です。後半でテンポを落として歌い上げるところも素晴らしい。
 カレヴィ・アホの「ソロX」はこの録音のために作曲されたソロ・ホルンのための作品。ノイネッカーの豊かな表現力を駆使した演奏です。この曲はスウェーデンンの教会で録音されています。残響を生かした演奏は豪快そのものです。
 リゲティのホルン三重奏曲も1996年の録音があります。96年の演奏はこれ以上ないような名演でした。15年後の新録音は再度響きの追求をしたかのような演奏です。不協和音が快い響きに聞こえてきます。第2楽章のヴァイオリンが弾くコルレーニョの響きが絶妙です。ホルンのミュートとの融合が素晴らしい。その中にあってはじけるようなピアノがまた素晴らしい。このリゲティの作品を気持ちよく聞ける演奏は少ないと思いますが、ノイネッカーの新録音はおすすめです。これは素晴らしい演奏と録音です。


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