L・モーツァルトのホルン作品

トマス・クローム(2010)シンフォニア・パストレーラ
CD(ANTES BM-CD31.9273)

1.ホミリウス/2つのコラール編曲
2.アルヴェーン/ノットゥルノ・エレジアコOp5
3.イソー/3つのバガテル
4.L・モーツァルト/シンフォニア・パストレーラ
5.ヘーベリ/アンダンテ
6.トライバー/3つの小品〜アルペンホルンとオルガン
7.カップ/宗教的なアンダンテ
8.ブラント/・・・・我々は次のようになる
9.ケーリング/パストラーレ
10.ヤン・クーツィール/コラール幻想曲
  トマス・クローム(ホルン)(2、3、5、7〜10)
      〃    (ディスカント・ホルン)(1)
      〃    (アルペンホルン)(4&6)
  フランク・オイトマン(オルガン)
   録音 2010年5月31日&6月1日

 トマス・クロームはドイツのホルン奏者。ケルン大学でエーリヒ・ペンツェルに師事、またドレスデンでペーター・ダムに、ロンドンでバリー・タックウェルに師事しました。クロームはモダン・ホルンだけでなく、ナチュラルホルンやアルペンホルンもこなす名手です。カールスルーエのバーデン音楽院でホルンの教授をしています。
  ホミリウスの「2つのコラール編曲」はディスカント・ホルンを使って高音域を演奏しています。アルヴェーンの「ノットゥルノ・エレジアコ」はホルンとオルガンのための作品でアダージョ、マ・ノン・トロッポで演奏されます。ゆったりとしたノクターンです。オルガンとホルンの作り出す天上の音楽です。
  現代作曲家のエティエンヌ・イソーはスイスの作曲家でアルペンホルンの作品も書いていますが、「3つのバガテル」はホルンのための作品です。
  L・モーツァルトの「シンフォニア・パストレーラ」はアルペンホルンとオルガンのためにマーヴィン・マッコイが編曲したもので、原曲ではアルペンホルンが入らない第2楽章は省略されています。その演奏は舌を巻くほどのスゴ技でテンポの速さと正確な音程に驚きます。第3楽章:プレストのうまさはブレインもびっくりです。
 ゲオルク・ヘーベリはデンマークの作曲家で「アンダンテ ヘ長調」は小品ながら魅力的な作品です。ホルンはオルガンの一部のようにも聞こえてきます。トライバーは1960年生まれのドイツの作曲家ですがフライブルク音楽院でヴァイオリンを学んでいます。「3つの小品」は2003年の作品でアルペンホルンとオルガンのために作曲されました。ホルンとは異なるアルペンホルンがホールに響き渡るとなんともいえません。素晴らしい作品と演奏です。
 アルトゥール・カップはエストニアの作曲家でサンクトペテルブルク音楽院でオルガンを学んでいます。ホルンとオルガンのための「宗教的なアンダンテ」は荘重な音楽です。ブラントの「・・・我々は次のようになる」は1999年の作品。ケーリングの「パストラーレ」はホルンとオルガンのための作品で定番曲のようで、雄大な響きが素晴らしい。
 クーツィールの「コラール幻想曲」は1981年の作曲で10分ほどの演奏時間を要する作品です。クロームのホルンがホール一杯に響きわたり、たっぷり楽しめます。


トップへ
戻る
前へ
次へ




inserted by FC2 system