ホルンとオルガンのための音楽

ヨアヒム・ベンシュ(2014)
CD(Ars 38531)

 1.ドープラ/ホルン六重奏曲ハ長調Op10
 2.C・P・E・バッハ/無伴奏フルート・ソナタ
           イ短調(ホルン版)
 3.ミヒャエル・ヘルツェル/モーツァルトの
  ホルン協奏曲第3番のロマンスによる幻想曲
 4.ミヒャエル・ヘルツェル/2つのホルンのための
    パッサカリアとフーガ
5.バッハ/コラール「主よ、人の望みの喜びよ」
    〜4本のホルンとオルガンのための

  ヨアヒム・ベンシュ(ホルン)
  ディートリヒ・シュレンダー(オルガン)(5)
   録音 2014年

 ドイツのホルン奏者ヨアヒム・ベンシュのアルバムは一人六重奏によるドープラの演奏がメインです。ブックレットの表紙には6人のヨアヒム・ベンシュがデザインされています。
  ルイ・フランソワ・ドープラのホルン六重奏曲は6つの楽章からなる大曲です。チェコ・フィルのホルンセクションが3度録音していました。ヨアヒム・ベンシュはデトモルト音楽院出身でホルン・アンサンブルの録音がありますが、一人でこの六重奏を録音するとは驚きです。一人四重奏よりもはるかに難しいでしょうが、ベンシュはこの難関に挑んでいます。聴いてみますと実に見事に調和されたアンサンブルです。6つのパートを全部吹きたいというのもすごいです。6曲ともに完璧で申し分ありません。
  エマヌエル・バッハの無伴奏フルート・ソナタ イ短調をホルンで録音したのはエリック・ラスクが初めてですが、ベンシュはこれに継ぐものです。3つの楽章を素晴らしいテクニックで演奏しています。
  ヘルツェルの「モーツァルトのホルン協奏曲第3番のロマンスによる幻想曲」はホルン1本でロマンスの楽章を変奏しながら演奏していくもので、ミヒャエル・ハイドンのロマンスのようにそのまま主題を演奏するのとは違って主題を展開していくところが違います。しかも無伴奏ホルンというところが大きな違いです。初録音と思われます。
  ヘルツェルの「2つのホルンのためのパッサカリアとフーガ」は2人のホルン奏者のための作品ですが、ベンシュは2つのパートを吹いて二重録音をしています。当然音色が同じですから調和のとれた見事な響きになっています。これが世界初録音になります。
  バッハのコラール「主よ、人の望みの喜びよ」はカンタータ第147番「心と口と行いと生活で」の中で歌われるコラールです。バッハのコラール作品の中で最も有名でしょう。珍しく4本のホルンとオルガンによって歌われます。なおこのコラールではナチュラルホルンを吹いているそうですが、聴いていると4つのパートをナチュラルホルンで吹いているようには聞こえませんので低音部をナチュラルホルンで吹いているのかもしれません。


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