ナチュラルホルンの録音

ガレ/オペラティック・ファンタジー集/アンネケ・スコット(2014)
CD(Resonus RES10153)

 J・フランソワ・ガレ/オペラティック・ファンタジー集
 1.ドニゼッティの「殉教者」による
            華麗なる幻想曲Op49
 2.ドニゼッティの「ベリサリオ」の
        カヴァティーナに基づく幻想曲Op42
 3.ドニゼッティの「ロベルト・デヴリュー」より
               「私を自由にさせて」
 4.ベルリーニの「ビアンカとフェルナンド」の
         モチーフによる幻想曲Op47−2
 5.ベルリーニーニの「夢遊病の女」の
   カヴァティーナに基づく3つのメロディOp28
 6.ドニゼッティの「愛の妙薬」より「人知れぬ涙」
 7.ドニゼッティの「愛の妙薬」による幻想曲OP46
 8.ベルリーニの「ノルマ」のモチーフに基づく
            華麗なる幻想曲Op40
 9.メルカダンテの「イタリアの夜会」より
             「狩人たちの叫び声」

   アンネケ・スコット(ナチュラルホルン)
          (ラウー1823年製
   ルーシー・クロウ(ソプラノ)(3、6&9)
   スティーヴン・デヴァイン(ピアノ)
          (エラール1851年製)
   録音 2014年8月16〜18日
  ラドック・パフォーミング・アーツ・センター

 フランスのホルン奏者ジャック・フランソワ・ガレ(1795〜1864)の珍しい作品集です。モダン楽器で演奏するのも難しいこれらのファンタジー作品をアンネケ・スコットが何の苦も無くナチュラルホルンを吹いているように聞こえてきます。ガレがまとめたこれらの作品はイタリアオペラの名旋律をホルンのためにアレンジしたものです。当然ながらオペラのアリアですから演奏も難しく、オペラを歌うように吹いています。トリルも多く録音自体ほとんど無いものです。
  ドニゼッティの2つの幻想曲は10分前後の作品で、3のアリア「私を自由にさせて」はソプラノの歌唱が入り二重奏にあるところは絶品です。
  ベルリーニの2作品「ビアンカとフェルナンド」と「夢遊病の女」からの作品はホルンによるアリア集で難しいテクニックを要求されます。それが聴いていると大変滑らかで演歌をきいているかのようです。2つともに6分ほどの作品です。
  ドニゼッティの「愛の妙薬」から「人知れぬ涙」はテノールのアリアですがソプラノの歌唱をホルンが支えています。「愛の妙薬」による幻想曲はこのオペラの名旋律を題材にしてまとめたものでしょう。12分の大作です。
  ベルリーニの「ノルマ」のモチーフに基づく華麗なる幻想曲は冒頭から流麗なアリアがホルンで歌われます。悲劇だけに主題はよけいにきれいに響きます。恐ろしくうまい演奏です。
  最後のメルカダンテの「イタリアの夜会」より「狩人たちの叫び声」は短いアリアでソプラノが歌い、狩人の叫びがホルンで演奏されます。このアルバムはジャック・フランソワ・ガレの秀悦なアレンジをスコットが吹き上げた名作名演です。


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