グリエールのホルン作品

ホルン協奏曲/ゾラ・スローカー(2008〜10)
CD(MARCOPHON CD 7167)

1.モーティマー/カルメン幻想曲
    〜ホルンとトロンボーンのための
2.ベルリーニ/トロンボーン協奏曲
   (アンドリューズ編)
3.グリエール/ホルン協奏曲変ロ長調
        (トニー・シュソー編)
4.リムスキー=コルサコフ/くまんばちの飛行
            (レイフト編)
5.デボンズ/サルタティオ・ディアボリカ
   (ホルンとトロンボーンの為の)(リチャーズ編)

  ゾラ・スローカー(ホルン)(1、3&5)
  ブラニミル・スローカー(トロンボーン)(1、2、4&5)
  マーク・レイフト指揮
    フィルハーモニック・ウィンド・オーケストラ
  録音 2008〜2010年

 スローカー父娘のアルバム第3作です。このアルバムはウィンド・オーケストラ(吹奏楽)伴奏です。ヴァイオリンのパートはクラリネットで演奏されています。
  ジョン・クレネスク・モーティマーの「カルメン幻想曲」はホルンとトロンボーンのために編曲されています。ここではホルンよりもトロンボーンの出番が多いですが音色が似ていますので分からないほどです。デュエットで和音を作るときれいです。おなじみのメロディがたくさん出てきます。
  ベルリーニのトロンボーン協奏曲はオーボエ協奏曲をトロンボーンのためにアンドリューズが編曲しています。ホルンでの演奏もありますがスローカーの演奏は素晴らしくビヴラートがたまりません。
  グリエールのホルン協奏曲を吹奏楽版で演奏するのは珍しいですがフランスのトニー・シュソー(Tony Cheseaux)の編曲です。ゾラ・スローカーのホルンは奥深い響きの見事な演奏です。息継ぎの難しい曲ですが実に巧みで時には男勝りのように鮮やかな演奏を聞かせてくれます。第1楽章の展開部は特にきついですがじつに滑らかです。カデンツァもオリジナルで長いもので高音から低音まで使う素晴らしいものです。第2楽章はきれいなカンタービレでホルンの美しさをしめしてくれます。第3楽章の難しいフレーズもスラスラと吹いていて驚きます。この演奏はホールに響き渡るホルンの素晴らしさとオーケストラのうまさが光る名演といってよいでしょう。
  リムスキー=コルサコフの「くまんばちの飛行」はトロンボーンで演奏するのは神業です。その演奏はトロンボーンの特徴をいかして蜂がブンブン飛んでいる様子をアドリブで表現した名演奏です。
  デボンズの「サルタティオ・ディアボリカ」はホルンとトロンボーンのデュオのためにリチャーズが編曲したものです。実に見事な演奏で他に録音がないと思いますので貴重な録音です。いつもながらこの父娘の演奏は見事です。


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