ブリテンのホルン作品

セレナード/ボシュチャン・リポヴシェク(2011)
CD(Zkp Rtv Slovenija 113550)

1.ブラームス/ヴァイオリン協奏曲ニ長調Op77
      (カデンツァ:ヨアヒム)
2.ブリテン/テノール、ホルンと弦楽のための
          セレナードOp31

  ステファン・ミレンコヴィチ(ヴァイオリン)(1)
  ジェイムズ・オクスリー(テノール)(2)
  ボシュチャン・リポヴシェク(ホルン)(2)
  エン・シャオ指揮
  スロヴェニア放送交響楽団
  録音2010年11月2&26日(1)
     2011年1月25日(2)

 スロヴェニア放送響はリュブリャナ放送響と称していました。このオーケストラの録音シリーズの1枚ですがオーケストラの水準の高さには驚きます。
 ブラームスのヴァイオリン協奏曲はセルビアのミレンコヴィチによる演奏ですが、この演奏は堂々とした巨匠のような演奏で、テンポがゆったりとしておりヴァイオリンを十分に響かせる演奏です。全曲43分という演奏はオイストラフのスタジオ録音をも超えるものです。第2楽章ではヴァイオリン・ソロとホルンの掛け合いが実にきれいです。繊細な響きのヴァイオリンが泣かせてくれます。第3楽章も遅めのテンポでじっくり聞かせる演奏です。
 ブリテンの「セレナード」はテノール、ホルンと弦楽のための作品です。リポヴシェクのホルンによる「プロローグ」は倍音を十分に響かせる見事なものです。第2曲「パストラール」はオクスリーのあまいテノールとホルンの対話がきれいです。第3曲「ノクターン」は冒頭の弦楽の緊張感あふれる演奏が素晴らしい。テノールと弦楽の遠近感も印象的です。ホルンの響きも明るいです。第4曲「エレジー」はホルンの半音階的ロングトーンが良い響きです。第5曲「ジーグ」では弦楽の盛り上がりの緊張感とホルンの強奏が聞き所。第6曲「賛歌」ではホルンの鮮やかな演奏がテノールと絡む見事なものです。第7曲「ソネット」はテノールのあまい歌唱と弦楽の響きが聞き所、第8曲「エピローグ」はステージ裏から「プロローグ」と同じ演奏が響きます。


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