ヒンデミット/ホルン作品

アルト・ホルン・ソナタ/トゥーニス・ファン・デァ・ズヴァールト(2013)
CD(harmonia mundi HMC 905271)

ヒンデミット/様々な楽器のためのソナタ集
1.アルト・ホルン・ソナタ変ホ長調(1943)
2.チェロ・ソナタ(1948)
3.トロンボーン・ソナタ(1941)
4.ヴァイオリン・ソナタ ホ調(1935)
5.トランペット・ソナタ(1939)

  トゥーニス・ファン・デァ・ズヴァールト
         (アルトホルン)(1)
  アレクサンドル・ルーディン(チェロ)(2)
  ジェラール・コスト(トロンボーン)(3)
  イザベル・ファウスト(ヴァイオリン)(4)
  ジェローエン・ベルヴェルツ(トランペット)(5)
  アレクサンドル・メルニコフ(ピアノ)(1〜5)
  録音 2013年9月&12月

 ヒンデミットが様々な楽器とピアノのために作曲した作品集です。金管楽器のソナタと弦楽器のためのソナタが収録されています。
 アルト・ホルン・ソナタ変ホ長調は1943年の作品、4つの楽章で構成されます。ここでズヴァールトはオリジナルのアルトホルンを吹いています。普段のナチュラルホルンから吹奏楽のアルトホルンに持ち替えています。さすがに美しい響きです。このアルトホルンでの録音はメイソン・ジョーンズ以来のことです。また第4楽章冒頭で「ポストホルン」という題の対話が語られています。このアルトホルンの音は新鮮です。
 チェロ・ソナタは1948年の作品で、このアルバムの中では唯一戦後の作品です。穏やかなようで希望に満ちた雰囲気を感じます。ピアノの叩きつけるような演奏とチェロの低音の響きはヒンデミットの戦時中の思いが伝わってきそうです。
 トロンボーン・ソナタは1941年の作品、4つの楽章で構成されトロンボーンの魅力と技巧を聞かせてくれます。ジェラール・コストのトロンボーンは力強さと美しい響きと申し分のない演奏です。ここでもメルニコフのピアノは迫力のあるものです。
 ヴァイオリン・ソナタ ホ調は1935年の作品。この作品はヒンデミットがナチスから弾圧を受けたころのものです。ドイツにいての作曲です。その後の作品と比べるとそれほど攻撃的なピアノとは感じられません。ヴァイオリンのソロが力強く響きます。
 トランペット・ソナタは1939年の作品です。3つの楽章からなり、第1楽章では同じ年に書かれたホルン・ソナタと同じようなピアノの響きがあって面白いです。トランペットの主題も作風が似ています。この作品はスイスに亡命した当時のものですが、第2楽章の勢いのある演奏、ピアノのきらめきは素晴らしい。第3楽章は長いものですが、「葬送音楽」になっています。慰霊のトランペットが響きます。トランペット・ソナタの傑作と言われています。 


トップへ
戻る
前へ
次へ




inserted by FC2 system