サン=サーンス/ホルン作品

ロマンスOp36/池田 重一(2013)
CD(OTAKEN TKC-201)

1.カモネッティ/ホルン五重奏曲第1番変ホ長調Op4
2.グラズノフ/牧歌Op14−1
3.ボウエン/ホルン五重奏曲ハ短調Op85
4.サン=サーンス/ロマンス ヘ長調Op36
      (カモネッティ編)
  池田 重一(ホルン)
  カモネット
  辻井 淳 (ヴァイオリン)
  小林真奈美(ヴァイオリン)
  土井 茉莉(ヴィオラ)
  大西 泰徳(チェロ)
  録音 2013年8月

  2011年まで大阪フィルの首席ホルンをつとめた池田重一3枚目のアルバムはホルン五重奏曲集です。
カピ・カモネッティというのはヴァイオリンの辻井 淳(1959年生まれ)のペンネームだそうです。ホルン五重奏曲第1番は大変ロマンティクな作品で牧歌のような第1楽章:モデラート・アッサイは叙情的な音楽が流れる名作です。第2楽章:アダージョもまたノクターンのような静かな音楽でホルンの美しいメロディが素晴らしい。第3楽章:アレグロ・ヴィヴァーチェは軽やかなホルンの主題が狩りのホルンを思わせますが弦楽のみで演奏される部分もあって風変わりな作品です。中間部にテンポが変わります。
  グラズノフの牧歌(ホルンと弦楽のための)は弦楽四重奏でも演奏されることがあります。池田の演奏は透明感のあるホルンで大変美しい響きの魅力的な演奏です。
  ヨーク・ボウエン(1881〜1961)はホルンの作品をいくつか作曲していて、ホルン協奏曲もあります。ホルン五重奏曲は1927年の作で3つの楽章で構成され演奏時間25分という大作です。第1楽章:モデラート・セリオーソ(厳粛なモデラート)は厚みのある弦楽をバックにホルンが牧歌的な主題を朗々と吹く名作です。弦楽を聞くだけでもよくできた作品です。第2楽章:アンダンテ・エスプレシーヴォは美しい弦楽をバックに叙情的なホルンが流れる名作。第3楽章:アレグロ・モルト・エ・リミコはホルンがいよいよ大いに活躍する楽しい楽章です。池田の優雅なホルンが見事な響きを作り出しています。
  サン=サーンスのロマンス ヘ長調Op36はオーケストラまたはピアノ伴奏で演奏されますが、この弦楽四重奏伴奏も魅力的な響きをかもし出してくれます。これは勿論世界初録音になります。ホルンが即興演奏するところは聞き逃せないでしょう。


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