モーツァルト/ホルン協奏曲全集

ジャック・ドゥルプランク(2010年代)

CD(Le Chant de Linos CL1166)

モーツァルト/ホルン協奏曲全集
1.ホルン協奏曲第1番ニ長調K412
2.ホルン協奏曲第2番変ホ長調K417
3.ホルン協奏曲第3番変ホ長調K447
4.ホルン協奏曲第4番変ホ長調K495

  ジャック・ドゥルプランク(ホルン)
  ジル・コリアール指揮
  トゥールーズ室内管弦楽団
  録音 2010年代

 ドゥルプランクのモーツァルトです。フランスのホルン奏者としてはジュスタフレ以来の全集録音です。録音データはありませんが写真から見ると最近の画像のようです。オーケストラはピリオド奏法で古風ですがホルンは現代の楽器です。ドゥルプランクのホルンはのびやかで明るい響きですがかつてのフランス風のホルンではありません。
 ホルン協奏曲第1番はきれいな演奏です。第2楽章はジェスマイヤーの編曲によります。ホルン協奏曲第2番はレガートのきれいな演奏で時には軽いビヴラートもかけています。第2楽章はやや速めのテンポで歌っています。第3楽章のロンドは軽快で鮮やかな演奏です。短いカデンツァが挿入されています。
 ホルン協奏曲第3番はホルンの表現力が試される名曲です。ドゥルプランクのホルンは素晴らしいものです。レガートのきれいなこと安定した音色と美しさということありません。カデンツァは師のバルボトゥのカデンツァを少し引用しながらの長大なものです。見事な表現力です。第2楽章のロマンスはやや速めのテンポで流麗な演奏です。第3楽章は軽快で鮮やかなホルンが素晴らしい。
 ホルン協奏曲第4番は4曲の協奏曲の中で最も厚い響きの作品ですが、ホルンも壮大な主題が流れます。ドゥルプランクのホルンは朗々と響きます。とても良い演奏で勢いがあって表現力も豊かです。カデンツァはオリジナルで「夜の女王のアリア」のフレーズも入れた見事なものです。第2楽章:ロマンスはゆったりと歌うところがなんともいえません。第3楽章:ロンドは力強く華やかです。転調の絶妙なモーツァルトは歌があります。このロンドは楽しさがあふれています。まさに良い演奏です。


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