ブラームス/ホルン三重奏曲

ジェロエン・ビリエ(2015)
CD(VLAD RECORDS VR 011)

愛の歌/ブラームス時代のホルン作品
1.トーメ/愛のデュオ
2.ファン・クロムフォート/メロディ
3.アッセルマン/紡ぎ車
4.ラドゥー/瞑想曲
5.ブラームス/アルバムの小品
6.エドムント・ウェーバー/
   ホルンとハープのためのデュオ
7.フェティス/小品
8.サン=サーンス/ロマンス ヘ長調Op36
9.サミュエル/コンクール用小品
10.ブラームス/ホルン三重奏曲変ホ長調Op40

ジェロエン・ビリエ(ナチュラルホルン)(4、6〜8&10)
    〃     (2本ピストンホルン)(1)
    〃     (3本ピストンホルン)(2&9)
  マルク・ド・メルリエ(2本ピストンホルン)(7)
  ジャン=クロード・ファンデン・エイデン(ピアノ)
             (1、2、4、5、7〜10)
  ヴェロニク・ボゲール(ヴァイオリン)(1&10)
  マルヤン・ド・ヘール(ハープ)(3&6)
  録音 2015年11月3〜5日

 ベルギーのホルン奏者ジェロエン・ビリエによる珍しい作品を含むアルバムです。ここでは19世紀のホルンまたは複製を使用しています。
 フランシス・トーメ(1850〜1909)の「愛のデュオ」」はホルン、ヴァイオリンとピアノのトリオですが、途中に突然クラリネットが挿入されています。なんのクレジットもなく、演奏者のクレジットもありません。曲はまさに愛の歌です。
 レオン・ファン・クロムフォート(1842〜1911)の「メロディ」は初期のピストンホルン(3本)による演奏です。なめらかなホルンが流れます。前半はノクターン調で中間部はスケルツォ風の力強い演奏になります。そして後半はノクターン調の美しい調べになります。
 アルフォンス・アッセルマン(1845〜1912)の「紡ぎ車」は有名なハープ独奏の作品です。
 ジャン=テオドール・ラドゥー(1835〜1911)の「瞑想曲」はナチュラルホルンによる演奏です。ヴァイオリンが入って三重奏になります。滑らかな演奏です。
 ヨハネス・ブラームス(1833〜1897)の「アルバムの小品」はピアノ作品ですが、この曲はブラームスのホルン三重奏曲で第2楽章のトリオに使われています。
 エドムント・ウェーバー(1838〜1885)の「ホルンとハープのためのデュオ」はナチュラルホルンの演奏です。ハープのきらめきも素晴らしい。美しい作品です。
 フランソワ=ヨセフ・フェティス(1784〜1871)の「小品」は2本のホルンとピアノのための小品です。ナチュラルホルンと2本ピストンのホルンで演奏しています。
 サン=サーンスの「ロマンス ヘ長調」もナチュラルホルンの演奏です。ゆったりとしたロマンスで優雅に美しい響きになっています。滑らかなハンドストップが巧みです。
 アドルフ・サミュエル(1824〜1898)の「コンクール用小品」はホルンとピアノのための作品です。ここでは初期の3本ピストンホルンを使用していますので音階にむらのない演奏が聞かれます。
 ブラームスの「ホルン三重奏曲変ホ長調」はナチュラルホルンによる演奏です。ホールトーンが良いので3つの楽器がよく響きます。第1楽章の楽しそうな演奏が伝わってきます。第2楽章:スケルツォの勢いのある演奏が聞きものでピアノもきれいです。トリオには「アルバムの小品」の主題が出てきます。第3楽章:アダージョ・メストの演奏も良い響きでホルンの鳴らし方が素晴らしい。第4楽章:フィナーレではピアノの熱演に押され気味ですが、ナチュラルホルンの音を存分に鳴らしてくれます。


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