R・シュトラウス/ホルン協奏曲

1&2番/風間 俊二(2016)
CD(Diskart DACD-171)

ホルン・ロマンティック・アルバム
1.ハース/ホルン・ソナタ ヘ長調Op29
2.R・シュトラウス/アンダンテ ハ長調
2.   〃   /ホルン協奏曲第1番変ホ長調
          (ピアノ版初稿)
3.   〃   /ホルン協奏曲第2番より
            第2楽章

  風間 俊二(ホルン)
  水谷 紀子(ピアノ)
  録音 2016年9月3日&10月10日
   代官山教会     

 風間俊二(1959〜)は東京生まれ、ドイツに留学してホルンをフーベルト・ブラーデル、アプ・コスター、ハンス・ウルリヒ・ヴィンクラーに師事しています。まず風間のホルンの音色に驚きました。明るく、軽いビヴラートまでかける演奏はペーター・ダムのようでもあり、ブヤノフスキーのようにも聞こえます。
 ヨゼフ・ハース(1879〜1960)はドイツの作曲家、ホルン・ソナタは1910年の作品。録音は少なく、あまり知られていない作品です。3つの楽章で構成され、第1楽章「アレグロ・マエストーソ」、第2楽章「ラルゲット・エ・トランクイロ」、第3楽章「アレグロ・ヴィヴァーチェ・エ・コン・スピリット」となっています。ロマンティックな作品で聴いていると癒されます。第2楽章の美しいホルンは素晴らしいものです。
 リヒャルト・シュトラウスのアンダンテは穏やかな演奏でホルンの明るい音色が気持ちよく聞こえてきます。
 リヒャルト・シュトラウスのホルン協奏曲第1番は知らずに聴いていると序奏のピアノパートが若干違いがありますのでピアノ版の初稿とわかります。同じ楽譜で水野信之が録音しています。第1楽章のホルン・ソロは同じですが、第2楽章の導入部分に大きな違いがあります。風間のホルンは豊かな音量でありながら明るく、柔らかな響きがきれいです。第2楽章は軽いビヴラートが大変印象的です。このホルンは本当に素晴らしい。第3楽章は明るい響きのホルンが流麗に流れます。カデンツァがオーケストラ版と異なるのが特徴です。終結もかなりの違いがあります。これはよい演奏です。
 リヒャルト・シュトラウスのホルン協奏曲第2番は全曲ではなく第1楽章の終結部分(第2楽章の導入部分)から始まって第2楽章を演奏しています。この第2番のロマンティックな楽章です。大変美しい響きのホルンが朗々と流れます。日本人のホルン奏者でこれほど美しい響きを出す人がいるとは驚きました。アレキサンダー107Vを吹いているそうですが、個性的なホルン奏者が少ない現代では珍しいと思います。このアルバムは絶賛したいと思います。 


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