ジャズ・ホルン

アルカージィ・シルクローペル/LUSTRUM(2016)
CD(BAUER STUDIOS NCD-4147)

 LUSTRUM
1.ゲット・アップ・アンド・ゴー
2.ソング・フォー・ヴェラ
3.ステーション・タイガ
4.両親の歌う唄
5.コルンブルーメ
6.イントラーダ
7.オールモスト・ディッセンバー

  アルカージィ・シルクローペル(ホルン)
  ヴァディム・ネセロフスキー(ピアノ)
  録音 2016年5月24&25日

 シルクローペルは6歳でアルトホルン、11歳のときからフレンチホルンを吹き始めています。ボリショイ劇場に1979〜85年まで、モスクワ・フィルには1985〜89年まで在籍した名手ですが、ジャズにのめりこんだのはボリショイ時代からのようです。
  1、2、3曲目と7曲目はネセロフスキーの作、4曲目はボゴスロフスキーの作、5曲目と6曲目はシルクローペルの作曲です。
 「ゲット・アップ・アンド・ゴー(起きて行きなさい)」はピアノの穏やかな演奏に始まって、眼をこすりながら起きているようなホルンの歌が流れます。超高域のトリルがありますが、低音ホルンもあって面白いです。後半のミュートを使う速いパッセージの連続が素晴らしい。
 「ソング・フォー・ヴェラ」はバラード風のホルンの歌がピアノ伴奏で朗々と歌われます。後半ではピアノのソロがあります。最後にヴォーカルが加わります。
 「ステーション・タイガ」は寒々とした針葉樹林を歌う音楽のようですが、ゆったりとした歌がホルンで歌われます。
 「両親の歌う唄」はピアノで心地よい歌が歌われ、そこにホルンが合わせていくピアノとホルンのデュオになっています。途中からのスイングもまた楽しいです。最後に高域トリルがあります。
 「コルンブルーメ」はホルン・ソロに始まります。やがてピアノが加わり優しい響きの音楽が流れます。そこにハーモニカが入るのが面白いです。
 「イントラーダ」はホルンによる優雅な歌が歌われます。後半は自由な形式のジャズになります。ピアノ・ソロが素晴らしい。低音ホルンがこれまた凄いです。
 「オールモスト・ディッセンバー(もうすぐ12月)」は穏やかな音型が何度も繰り返されます。ピアノの響きがきれいです。最後にまたホルンが穏やかな歌を歌います。
 クラシックのようなホルンに聞こえながらも少しジャズっぽくなる楽しいアルバムです。


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