R・シュトラウス/ホルン協奏曲

1番/ロベルト・ラングバイン(2014)
CD(Profil PH15016)

リヒャルト・シュトラウス/作品集
CD1
1.ホルン協奏曲第1番変ホ長調Op11
CD2
2.13管楽器のためのセレナード Op7
3.ソナチネ第1番「傷病兵の仕事場より」Op135
4.メタモルフォーゼン〜23の弦楽器のための

 ロベルト・ラングバイン(ホルン)(1)
 クリスティアン・ティーレマン(指揮)
  ドレスデン・シュターツカペレ
 録音2014年11月23日ライヴ(1)
    2014年5月15日ライヴ(2〜4)
 
 リヒャルト・シュトラウスの生誕150年記念の演奏会からのライヴ録音です。ティーレマンがドレスデンのシュターツカペレを指揮しました。
 ホルン協奏曲第1番はドレスデン・シュターツカペレの首席ホルン奏者のロベルト・ラングバインがソロを演奏しています。序奏のティンパニの一打に驚きます。ホルンは冒頭から良い響きがが聴かれます。第1楽章の主部からはソロの素晴らしい響きが朗々と流れます。大変流麗な演奏で惚れ惚れします。これぞホルンという響きがあります。第2楽章のアンダンテは透明感のあるホルンがホールによく響きます。滑らかなホルンは気持ちよいものです。第3楽章のロンドは冒頭狩りのホルンのように軽快なホルンが響きます。そしてホルンは滑らかに歌います。この楽章にはオーケストラ付のカデンツァが入ります。堂々とした演奏です。コーダのスピード感は素晴らしいものです。終結でテンポを少し落とすところがたまりません。ティーレマンの演出があります。
 13管楽器のためのセレナードは初期の作品で、2つのフルート2つのオーボエ、2つのクラリネット、4つのホルン、2つのファゴットとコントラ・ファゴットの13管楽器による演奏です。木管楽器の中に4本のホルンが入ると雄大な響きになります。
 ソナチネ第1番「傷病兵の仕事場より」 は晩年の1943年に書かれています。2つのフルート2つのオーボエ、3つのクラリネット、バセットホルン、バスクラリネット、4つのホルン、2つのファゴットとコントラ・ファゴットによる16の管楽器による演奏です。木管楽器の中に4本のホルンという組み合わせは初期のセレナードと同じようですが、このソナチネ第1番はリヒャルト・シュトラウスの音楽集大成ともいえるメロディの美しさと響きの雄大なこと、弦楽なしでも引き出せるシュトラウスの音楽があります。3つの楽章で構成されていますが、第2楽章のロマンスはその美しさ、木管楽器の響きの良さ、さすがにドレスデンは素晴らしい。よくできた作品と改めて感じました。
 メタモルフォーゼンは23の独奏弦楽器のための作品で戦時中の1944年に書かれています。ヴァイオリン10、ヴィオラ5、チェロ5とコントラバス3の23のパートに別れてそれぞれが独奏楽器となって壮大なアンサンブルを演奏します。変奏のようなそうでないような作品で「変容」ともいわれます。27分ほどの大作で単一楽章です。序奏にベートーヴェンの英雄交響曲の「葬送行進曲」に似た主題が演奏されます。ドレスデンの弦楽セクションのうまさが光ります。素晴らしい演奏です。


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