ハイドン/ホルン協奏曲

1番/プジェミスル・ヴォイタ(2017)
CD(Avi-music 8553146)

ハイドン/ホルン協奏曲集
1.M・ハイドン/ホルン協奏曲ニ長調
       MH.53(Hob.VIIb:4)
2.M・ハイドン/ホルンとトロンボーンのための
     協奏曲ニ長調(セレナータ MH.86より)
3.M・ハイドン/ホルン小協奏曲ニ長調 MH.134
4.ハイドン/ホルン協奏曲第1番ニ長調 Hob.VIId:3

 プジェミスル・ヴォイタ(ホルン)
 ファブリス・ミリシェー(トロンボーン)(2)
 マルティン・ペトラーク指揮
 ハイドン・アンサンブル・プラハ
 録音 2017年7月

 チェコのホルン奏者プジェミスル・ヴォイタの新しいアルバムです。ヨーゼフ・ハイドンとミヒャエル・ハイドンの協奏曲を録音しました。
 ミヒャエル・ハイドンのホルン協奏曲ニ長調MH.53はハイドンのホルン協奏曲第2番として知られている作品です。第1楽章は快適なテンポで演奏しています。ヴォイタは時折アドリブを入れています。また自由にリズムを変えているところもあってあれっと思いますが、このような斬新な演奏も現代においてはあっていいと思います。カデンツァも堂々としたものでホルンの可能性を追求したような見事な演奏です。第2楽章はアダージョですがやや速めのテンポで明るい音色のホルンが実に素晴らしい演奏です。第3楽章のアレグロは狩りのホルンのような軽快な演奏です。カデンツァが素晴らしいです。
 ミヒャエル・ハイドンのホルンとトロンボーンのための協奏曲ニ長調はセレナータ ニ長調から2つの楽章を演奏したものです。 第1楽章はアダージョ、ホルンとトロンボーンの作り出す和音がきれいです。ミリシェーのトロンボーンが明るくヴォイタの軟らかなホルンとの掛け合いが何とも言えません。第2楽章のアレグロ・モルトはシンフォニーのような序奏のあとにホルンとトロンボーンが力強い主題を演奏します。大変素晴らしい演奏です。
 ミヒャエル・ハイドンのホルン小協奏曲ニ長調は通奏低音にチェンバロを使ってオーケストラの響きに深みがあります。ヴォイタのホルンは力強く時にアドリブを入れての演奏が素晴らしいものです。カデンツァはかなり自由な表現で面白いです。第2楽章のアレグロ・マ・ノン・トロッポはヴォイタのアドリブの入るホルンが楽しそうに響きます。ヴォイタの表現力の巧みなこと、安定したテクニックということありません。カデンツァはファンファーレのように始まる独特のものです。第3楽章のメヌエットはオーケストラの響きが厚いです。ピツィカートに乗ったホルンのアドリブたっぷりの演奏が素晴らしいです。
 ヨーゼフ・ハイドンのホルン協奏曲第1番ニ長調はハイドンのオリジナル作品。ロイトゲープのために書いたともいわれる名曲です。ヴォイタのホルンはオーケストラの厚い響きに支えられて素晴らしい演奏になっています。ペトラークの指揮はオーケストラに勢いがあり同じ作品とは思えないほど斬新です。カデンツァは長大なものでここでも表現力豊かに演奏しています。第2楽章のアンダンテはやや速めのテンポで演奏しています。ホルンの響きがきれいです。カデンツァは長いです。第3楽章のアレグロは快適なテンポの演奏です。弾むようなオーケストラがきれいです。ホルンの鮮やかな演奏もまた見事です。カデンツァはここでも長い見事な演奏です。ヴォイタの演奏はペトラークのサポートの良さもあって素晴らしいハイドンになりました。


トップへ
戻る
前へ
次へ




inserted by FC2 system