ハイドン/3声のディヴェルティメント

ウアスラ・パルダン・モンベア(2018)

CD(hyperion CDA68289)

アーリー・ホルン
1.L.モーツァルト/室内シンフォニア ニ長調
2.作曲者不詳/協奏曲ホ長調
  〜ホルン、オーボエ・ダモーレと通奏低音のための
3.グラウン/トリオ ニ長調
    〜ホルン、ヴァイオリンと通奏低音のための
4.ハイドン/3声のディヴェルティメント Hob.VI:5
5.テレマン/3声の協奏曲ヘ長調 TWV.42:F14
      (リコーダー,ホルンと通奏低音のための)
6.作曲者不詳/協奏曲変ホ長調
 〜ホルン、2本のオーボエと通奏低音のための
7.グラウン/協奏曲ニ長調
  〜ホルン、オーボエ・ダモーレと通奏低音のための
8.モーツァルト/ホルン五重奏曲変ホ長調K407

 ウアスラ・パルダン・モンベア(ナチュラルホルン)
 ジョナサン・コーエン指揮
 アルカンジェロ
 録音2018年11月14〜16日
 オール・セインツ教会(ロンドン)

 ウアスラ・パルダン・モンベアは、デンマークのホルン奏者、コンチェルト・コペンハーゲンの首席ホルン奏者を経て2012年からイングリッシュ・コンサートの首席ホルン奏者をつとめています。ナチュラルホルンをアンドリュー・クラークとクロード・モーリーに師事しています。
 レオポルド・モーツァルトの「室内シンフォニア ニ長調」はホルン、ヴァイオリン、2本のヴィオラと通奏低音で演奏されています。メヌエットの入る4つの楽章のホルン協奏曲です。第1楽章からナチュラルホルンが太く響きます。第2楽章のメヌエットはハイトーンがよく響きます。第3楽章のアンダンテは弦楽とともにホルンが美しい響きが聴かれます。ストップ音もきれいな演奏です。第4楽章のアレグロはホルンのトリルで始まります。きれいなトリルです。素晴らしい演奏です。
 作曲者不詳の「協奏曲ホ長調」はホルン、オーボエ・ダモーレと通奏低音のための作品です。ラルゴ/アレグロ/シチリアーノ/アレグロの4つの楽章になっています。冒頭からホルンとオーボエ・ダモーレが良い響きを作ります。モンベアのナチュラルホルンはストップ音がきれいなので音階もきれいに響きます。この聴きなれない作品が名曲に聞こえてきます。アレグロの勢いのある演奏、シチリアーノの美しい歌はトリオ・ソナタのようです。フィナーレのアレグロもきれいです。
 カール・ハインリヒ・グラウンの「トリオ ニ長調」はホルン、ヴァイオリンと通奏低音のための作品。アレグレット/アンダンテ/アレグロの3つの楽章で構成されています。トリオ・ソナタといってもよい作品です。ヴァイオリンとホルンが元気よく演奏しています。アンダンテは実にうまいハンドホルンです。安定したホルンの響きが素晴らしい。アレグロは狩りのロンド風でホルンを聴く楽しさがあります。
 ハイドンの3声のディヴェルティメントはホルン、ヴァイオリンとチェロのための三重奏曲です。モンベアのナチュラルホルンは第1楽章を低音から高音まで流麗な演奏が聴かれます。第2楽章の速いフレーズも素晴らしい演奏です。カデンツァも見事なものです。
 テレマンの「3声の協奏曲ヘ長調」はリコーダー、ホルンと通奏低音のための作品。ヴィヴァーチェ/ルール/メヌエットの3つの楽章で構成されています。ルールはフランスの古い舞曲です。リコーダーと通奏低音で歌われます。メヌエットはホルンが入ってリコーダーと共に楽しそうに歌っています。
 作曲者不詳の「協奏曲変ホ長調」はホルン、2本のオーボエと通奏低音のための作品。アレグロ/ラルゴ/アレグロの3つの楽章で構成されています。第1楽章は2本のオーボエに始まってホルンが加わります。きれいなトリオです。ラルゴはホルンのハイトーンとオーボエの響きがきれいです。フィナーレのアレグロはホルンの速いフレーズが素晴らしい演奏です。
 グラウンの「協奏曲ニ長調」はホルン、オーボエ・ダモーレと通奏低音のための作品。アダージョ/アレグロ/ラルゴ/メヌエットの4つの楽章で構成されています。オーボエ・ダモーレとホルンの音域、音色が似ているのでよい和音を作っています。アレグロの勢いのある演奏、ラルゴの対話するような演奏は大変印象に残ります。メヌエットも大変きれいな演奏です。
 モーツァルトの「ホルン五重奏曲変ホ長調」はホルン作品の傑作です。第1楽章のアレグロはレガートのきれいな演奏です。ナチュラルホルンでこれほどきれいに響く演奏も珍しいです。第2楽章のアンダンテも滑らかな演奏です。第3楽章の軽快な演奏も素晴らしくホールに響くホルンの広がりが見事です。少しカットがありますがこれも良い演奏です。


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