ヒンデミット/ホルン作品
|
|
CDR(forgotten records fr-1637)
クリュイタンス〜1952年12月ライヴ
1.ラロ/歌劇「イスの王様」序曲
2.カントルーブ/ロジェ・フレヌの詩による
歌と管弦楽の為の三部作
3.ヒンデミット:ホルン協奏曲
4.リリー・ブーランジェ/
詩篇第130番「深き淵より」
リュドミラ・レベデワ(ソプラノ)(2)
ルイ・クルティナ(ホルン)(3)
エレーヌ・ブヴィエ(メゾソプラノ)(4)
ポール・ドレンヌ(テノール)(4)
アンドレ・クリュイタンス指揮
フランス国立放送管弦楽団
フランス国立放送合唱団(4)
録音 1952年12月29日
シャンゼリゼ劇場放送用ライヴ(モノラル録音)
アンドレ・クリュイタンスがフランス国立放送管弦楽団を指揮してシャンゼリゼ劇場で演奏したライヴ録音です。
ラロの歌劇「イスの王様」序曲はフランス・オペラ序曲の中でも有名な作品。クリュイタンスの手にかかると実に細やかに楽器の調和があります。フランス放送のオーケストラの緻密な演奏には耳をうばわれそうです。
カントルーブのロジェ・フレヌの詩による歌と管弦楽の為の三部作は第1曲「夏への捧げもの」、第2曲「月のような」、第3曲「夜明けへの賛歌」の3曲になります。リュドミラ・レベデワの透明感のあるソプラノ歌唱は素晴らしいものです。カントルーブの管弦楽もきれいなものです。さすがにクリュイタンスの音作りは素晴らしいものです。
ヒンデミットのホルン協奏曲は1949年にデニス・ブレインのために書かれました。この録音はブレインよりも4年早いものです。多分フランスの初演だろうと思います。作品は3つの楽章で構成されています。第1楽章はモデラートの速さによります。前奏のあとに明るく流麗な主題が演奏されます。フランスのホルンですが音色はブレインに似ています。短い楽章ですが、素晴らしい演奏です。ビヴラートをかけていないので良い響きです。第2楽章は「速いテンポで」演奏するハイテンポで軽快な楽章です。クルティナのホルンは素晴らしいです。第3楽章は「大変遅いテンポで」演奏します。クルティナのホルン・ソロは明るく雄大な響きでこの長い楽章を演奏しています。中間部のオーケストラは盛り上がります。後半のホルンが雄大な響きで素晴らしいです。クリュイタンスのヒンデミットは貴重な録音です。
リリー・ブーランジェ(1893〜1918)の詩篇第130番「深き淵より」はエレーヌ・ブヴィエのメゾソプラノ独唱とポール・ドレンヌのテノール独唱の入る宗教曲です。ブーランジェは女性で、ローマ大賞を受賞した実力のある作曲家でしたが、24歳で病死しています。この作品は17歳から24歳にかけて書き上げた大作でした。遺作に近いようです。フォーレの影響を受けているそうで作風も近いかもしれません。25分の大作でチェロのソロも入るオーケストラは素晴らしい響きです。これはクリュイタンスの大変な名演だと思います。 |
|
|
|