ブラームス/ホルン三重奏曲

ヴィセンテ・サルソ(1985)
CD(Residentie Orkest CD 420 056-2)

1.ブラームス/交響曲第3番ヘ長調Op90
2.ブラームス/ホルン三重奏曲変ホ長調Op40

 アラン・ロンバール指揮
 ハーグ・フィルハーモニー管弦楽団(1)
 ヤリング・ヴォルタ(ヴァイオリン)(2)
 ヴィセンテ・サルソ(ホルン)(2)
 ヤン・フアン・デル・メール(ピアノ)(2)
  録音 1985年9月

 ハーグ・フィルハーモニー(レジデンティ)管弦楽団とそのメンバーによるブラームスの作品です。
 ブラームス(1833〜1897)の交響曲第3番は1883年50歳の時に書かれた名曲です。ロンバールの指揮によるこの演奏は第1楽章冒頭をゆっくりと始めていて、哀愁的な響きが素晴らしいです。主部のメリハリのある演奏、弦楽の厚い響き聴きごたえがあります。第2楽章のアンダンテはクラリネットのよい響き、それにこたえるホルン、オーボエ、弦楽の美しさがあります。第3楽章のポコ・アレグレットはこの作品の聴きどころで哀愁的な主題が何度も流れます。弦楽に始まり、フルート、そしてホルンのソロが素晴らしい。ホルンのソロは首席のヘルマン・ユーリッセンが吹いています。貴重な録音です。第4楽章のアレグロは整然とした演奏でオーケストラの響きの良さは素晴らしいです。
 ホルン三重奏曲は1865年の作品。第1楽章のアンダンテはヴィセンテ・サルソのホルンが透明感のある良い響きです。ヴァイオリンも素晴らしい響きでピアノもよい響きを出しており、素晴らしいトリオです。中間部もバランスの良い響きで、良い音楽の流れになっています。第2楽章のスケルツォはピアノも輝きをみせておりヴァイオリンとホルンが明るく歌います。これもよい演奏です。トリオの演奏はヴァイオリンとホルンの和音がきれいです。ブラームスがいかに調和のとれた音域にしたかがうかがえます。これも素晴らしい演奏です。第3楽章のアダージョ・メストは哀愁的な主題が歌われます。ホルンとヴァイオリンの響きが大変きれいです。サルソの流麗なホルンが美しいです。第4楽章のアレグロ・コン・ブリオはホルンが力みのない演奏で、ヴァイオリンとピアノもバランスの良い響きで楽しい演奏になっています。後半もよい響きで、これはトリオのバランスの良い名演奏です。


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