ハイドン/ホルン協奏曲

トンプソン&ワトキンス(1984)

CD1&2(Nimbus NIM5018)

ゴールデン・エコー/ホルン協奏曲集
1.ヴィヴァルディ/2つのホルンの為の協奏曲
                   へ長調P321
2.ロゼッティ/ホルン協奏曲ニ短調C38/KV:4
3.L・モーツァルト/ホルン協奏曲ニ長調
4.ハイドン/2つのホルンの為の協奏曲
                   変ホ長調
  マイケル・トンプソン(ホルン)(1〜4)
  リチャード・ワトキンス(ホルン)(1&4)
  クリストファー・ウォーレン=グリーン指揮
     フィルハーモニア管弦楽団
    録音 1984年12月27〜29日

 このCDはトンプソンがロゼッティとレオポルド・モーツァルトの協奏曲を吹き、ヴィヴァルディとハイドンではワトキンスと共演しています。
 ヴィヴァルディの「2つのホルンの為の協奏曲へ長調P321」はクラリーノ協奏曲ともいえるハイトーンを使う協奏曲です。トンプソンとワトキンスの息の合った演奏が大変素晴らしいです。第2楽章のラルゲットでも2つのホルンが良い響きです。第3楽章のアレグロは2つのホルンが華やかな響きを出しています。
 ロゼッティのホルン協奏曲ニ短調は名曲です。第1楽章から流麗なホルンがトンプソンによって奏でられます。展開部もきれいです。再現部も良い演奏です。第2楽章のロマンツェは良い響きのホルンが流れます。この楽章にはカデンツァが入ります。トンプソンは長いカデンツァを披露しています。第3楽章のロンドは軽やかなホルンで気持ちよい演奏です。
 レオポルド・モーツァルトの「ホルン協奏曲ニ長調」は3つの楽章で構成されています。第1楽章のアレグロ・モデラートはハイトーンを使います。トンプソンのきれいなホルンによる演奏は素晴らしい響きです。第2楽章のアンダンテは弦楽にのって美しい主題がハイトーンで演奏されています。第3楽章のアレグロはトリルを使うのが特徴です。大変流麗な演奏です。
 ハイドンの「2つのホルンの為の協奏曲」は疑作でロゼッティの作と言われています。こちらはワトキンスとの共演で息もピッタリです。こちらは変ホ長調のナチュラルホルンのために書かれた作品ですから落ち着いた響きになります。第1楽章の力強い響きは編成の大きいオーケストラのせいもあって壮大な演奏になっています。第2楽章のロマンツェは冒頭の装飾音を省いてきれいな響きで始まります。2本のホルンがきれいな和音で演奏しています。後半では装飾音を入れています。第3楽章のロンドは2本のホルンが軽快な演奏を聴かせてくれます。細かいフレーズが大変素晴らしいです。よいアルバムです。


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