マラン・マレ/ル・バスク

ハワード・ウォール(2018−19)
CD(Affetto AF2001)2枚組

17世紀から21世紀までの音楽
CD2
1. ギユマン(1705-1770)2つのヴァイオリンのための
  5つのソナタ第5番Op.5からプレスト
  〜ヴァイオリンとホルン(ハワード・ウォール編) 
2. シャルル・ケクラン(1867-1950) 牧歌
  〜ヴァイオリンとホルン(ダルヴァロワ&ウォール編)
3. ハインリヒ・イグナーツ・F・ビーバー (1644-1704):
     描写的ソナタからアルマンド
    〜ヴァイオリンとホルン(ウォール編)
4. クープラン (1668-1733)クラヴサン曲集より
     「好色な女」〜ヴァイオリンとホルン
       (ダルヴァロワ&ウォール編)
5. マラン・マレ (1656-1728)/ ル・バスク
  〜ヴァイオリンとホルン(ダルヴァロワ&ウォール編)
6. ヴィラ=ロボス (1887-1959)
    ブラジル風バッハ第6番:からアリア
   〜ヴァイオリンとホルン(ダルヴァロワ&ウォール編)
7. J・S・バッハ (1685-1750) G線上のアリア
         〜ヴァイオリンとホルン(ウォール編)
8. ヤン・バッハ (1937〜):4つの2ビットコントラプションから
   「カリオペ」〜ヴァイオリンとホルン(ダルヴァロワ編)
9. ベートーヴェン (1770-1827)クラリネットとファゴットの
  ためのデュオ第1番からからアレグロ・コモド、
   〜ヴァイオリンとホルン(クラウス・ビエール編)
10. バグ・バウアー (1922):バップデュエット第8番
   〜ヴァイオリンとホルン(ダルヴァロワ&ウォール編)
11. ヘンデル (1685-1759)チェンバロ組曲第14番から
   クーラント〜ヴァイオリンとホルン
     (ダルヴァロワ&ウォール編)
12. E・ラウム (1945〜) 翼のついたサンダルの
     エルメス〜ヴァイオリンとホルンのための
13.ショーン・ヒッキー(1970)バイオリンと
       ホルンのためのマラ・ストラナ
14. レオ・ドリーブ (1836-1891):
    歌劇「ラクメ」から「花の二重唱」
   〜ヴァイオリンとホルン(ダルヴァロワ&ウォール編)
15. 鎮 陳(1985〜):ヴァイオリンとホルンのための
  私たち「タゴールの終わりのない愛」から
      〜ヴァイオリンとホルン
16. アストル・ピアソラ(1921-1992)カフェ1930
   〜ダルヴァロワ&ハワード・ウォール編
17. デビッド・アムラム (1930〜)
    修道士のためのブルースと変奏曲
             〜ソロ・ホルンのための
18. コンスタンチン・スーホヴェツキ (1981):
    無伴奏ヴァイオリンのためのエッジから
        「ポストカード」
19. ウォーレン (1958〜)5枚のポストカードから第3番
        〜ヴァイオリンとホルン(ウォール編)
20. ブルガリア民謡/素敵な娘さん 
     〜ヴァイオリンとホルン(ダルヴァロワ編)
21. バーノン・デューク (1903-1969):「パリの4月」
   〜ヴァイオリンとホルンのための(S・ダン編)
22. ポール・ネロ (1917-1958):ピッツィ・キャッツ
     〜ヴァイオリンとホルン(ウォール編)

 エルミラ・ダルヴァロワ(ヴァイオリン)
          (1〜16、18〜22)
 ハワード・ウォール(ホルン)(1〜17、19〜22)
 録音 2018〜2019年

 エルミラ・ダルヴァロワのヴァイオリンとハワード・ウォールのホルンによるデュオのアルバムです。これは17世紀から21世紀までの幅広い年代にわたって選ばれた作品がヴァイオリンとホルンのために編曲して演奏されています。
 ルイ=ガブリエル・ギユマン(1705-1770)の「2つのヴァイオリンのための5つのソナタ第5番Op.5からプレスト」はヴァイオリンとホルンのためにハワード・ウォールが編曲したものです。ヴァイオリンのさわやかな演奏とホルンの分散和音による演奏が続きます。楽しい作品です。
  シャルル・ケクラン (1867-1950)の「牧歌」はヴァイオリンとホルンのためにダルヴァロワとウォールが編曲したものです。フランスの作曲家ケクランはホルンの作品も書いています。この穏やかな雰囲気の牧歌は雄大な雰囲気を感じさせる小品です。世界初録音になります。
  ハインリヒ・イグナーツ・フランツ・ビーバー (1644-1704)の「 描写的ソナタからアルマンド」はヴァイオリンとホルンのためにハワード・ウォールが編曲したものです。ビーバーのヴァイオリン作品は重音が素晴らしいものです。そこにホルンの通奏低音が花を添えています。美しい作品です。
  フランソワ・クープラン (1668-1733)のクラヴサン曲集より「好色な女」はヴァイオリンとホルンのためにダルヴァロワとウォールが編曲したものです。美しいヴァイオリンと華やかに演奏するホルンがなんともいえません。素晴らしい響きです。世界初録音になります。
  マラン・マレ (1656-1728)の「ル・バスク」はヴィオール作品で、ホルンへの編曲が有名ですが、ここではヴァイオリンとホルンのためにダルヴァロワとウォールが編曲したものを演奏しています。冒頭はホルンがソロを吹きますが、途中からヴァイオリンのソロになります。本来は弦楽作品ですから違和感はありません。後半テンポアップしてホルンとヴァイオリンがソロを演奏しています。これは名演です。世界初録音になります。
  エイトル・ヴィラ=ロボス (1887-1959)の「ブラジル風バッハ第6番」からアリアはフルートとファゴットのための作品を、ヴァイオリンとホルンのためにダルヴァロワとウォールが編曲したものです。このアリアはショーロとも呼ばれるブラジル独特の歌です。ヴァイオリンはフルートのパートを演奏しているようですが、大変美しい響きになっています。ホルンも穏やかに朗々と良い響きで演奏しています。
  ヨハン・セバスチャン・バッハ (1685-1750)の「G線上のアリア」はヴァイオリンとホルンのためにハワード・ウォールが編曲したものです。ヴァイオリンは主題を演奏して、ホルンは通奏低音を演奏しています。このようなデュオで聴くのも良いものです。もちろん、これが世界初録音になります。
 ヤン・バッハ(1937〜)の「4つの2ビット・コントラプション」から第2曲「カリオペ」はヴァイオリンとホルンのためにダルヴァロワが編曲したものです。ワルツのテンポでホルンとヴァイオリンが歌います。互いに応答するように演奏しています。楽しい作品です。
  ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン (1770-1827)の「クラリネットとファゴットのためのデュオ第1番からアレグロ・コモド」はヴァイオリンとホルンのためにクラウス・ビエールが編曲したものです。この作品は原曲がクラリネットとファゴットのデュオですが、ヴァイオリンとホルンの演奏もまたきれいです。ホルンの細やかなフレーズはファゴットのようです。よい演奏です。
 バグ・バウアー(1922〜)の「バップ・デュエット第8番」はヴァイオリンとホルンのためにダルヴァロワとハワード・ウォールが編曲しています。快適なテンポで楽しそうに演奏しています。
  ゲオルク・フリードリヒ・ヘンデル (1685-1759)の「チェンバロ組曲第14番 HWV 441からクーラント」はヴァイオリンとホルンのためにダルヴァロワとウォールが編曲したものです。ヴァイオリンとホルンが絡み合うように演奏しています。チェンバロ作品の細やかな音楽をヴァイオリンとホルンが演奏するのも良いものです。世界初録音になります。
  エリザベス・ラウム (1945〜)の「翼のついたサンダルのエルメス(ギリシャ神話)」はヴァイオリンとホルンのための作品です。ギリシャ神話に出てくるエルメス(マーキュリー)は翼のついたサンダルをはいています。動きのある主題がヴァイオリンから流れます。そしてホルンも同様についていきます。新しいホルン作品としても良い作品です。
 ショーン・ヒッキー(1970〜)のヴァイオリンとホルンのためのマラ・ストラナは2017年に書かれています。初演はダルヴァロワとハワード・ウォールです。現代作品ですが、ロマンティックな作品です。後半にピツィカートが響きます。これが世界初録音になります。
  レオ・ドリーブ (1836-1891)の歌劇「ラクメ」から「花の二重唱」は名曲です。これをヴァイオリンとホルンのためにダルヴァロワとウォールが編曲したものです。ホルンがきれいな主題を演奏します。そしてヴァイオリンがまた歌います。きれいな演奏です。これが世界初録音になります。
  鎮 陳(ゼンツェン)(1985〜)の「ヴァイオリンとホルンのための私たち」は「タゴールの終わりのない愛」からとられた作品。ヴァイオリンとホルンのオリジナル作品です。これもダルヴァロワとハワード・ウォールのために書かれました。ヴァイオリンに始まり、ウォールが詩の朗読すると、やがてホルンが歌いダルヴァロワが朗読します。そして二人の華やかな演奏が始まります。ヴァイオリンが声掛けしながらの演奏もあります。面白い作品です。世界初録音になります。
  アストル・ピアソラ(1921-1992)の「カフェ1930」は「タンゴの歴史」の第2曲、ヴァイオリンとホルンのためにダルヴァロワとハワード・ウォールが編曲しました。ヴァイオリンが歌い、ホルンが支えるような編曲になっています。そのホルンも美しい響きを出しています。世界初録音になります。
  デイヴィッド・アムラム(1930〜)の「修道士のためのブルースと変奏曲」は独奏ホルンのための作品です。ブルース風のホルンの歌とヴァリエーションが演奏されています。途中に譜面台を叩くような音が聞こえたり、声を出してホルンを吹くなど面白い手法を使っています。穏やかな作品です。
  コンスタンチン・スーホヴェツキ (1981)の無伴奏ヴァイオリンのためのエッジから「ポストカード」はオリジナル作品。ダルヴァロワのために書かれました。ダルヴァロワのヴァイオリンは力強く、華やかな響きが素晴らしいものです。
  エロリン・ウォーレン (1958〜)の「5枚のポストカードから第3番」はヴァイオリンとホルンのためにハワード・ウォールが編曲したものです。
ヴァイオリンが歌い、ホルンが伴奏するような演奏です。素晴らしいデュオです。これが世界初録音になります。
  ブルガリア民謡「素敵な娘さん」はヴァイオリンとホルンのためにダルヴァロワが編曲したものです。ヴァイオリンが華やかに歌い、しばらくしてホルンが支えるように歌います。「素敵な娘さんですね」というようにホルンは歌います。これも世界初録音になります。
  ヴァーノン・デューク (1903-1969)の「パリの4月」はヴァイオリンとホルンのためにスコット・ダンが編曲したものです。パリの街を表現するようにヴァイオリンとホルンが演奏しています。芸術の都パリを自在に表現しています。楽しそうに演奏しています。
  ポール・ネロ (1917-1958)の「ピッツィ・キャッツ」はヴァイオリンとホルンのためにハワード・ウォールが編曲したものです。元気な猫をヴァイオリンがピツィカートで表現しているようです。原曲はヴァイオリンとベースのようです。ホルンは低音が多いですが楽しい作品です。
 これは良いアルバムです。


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