シューマン/コンツェルトシュテュック

ヘクター・マクドナルド、エリック・クシュナー他(2008)
CD(ORFEO C 717 102H)2枚組

シューマン/交響曲全集
CD1
1.交響曲第1番変ロ長調Op38「春」
2.交響曲第2番ハ長調Op61
CD2
3.交響曲第3番変ホ長調Op97「ライン」
4.交響曲第4番ニ短調Op120
5.4本のホルンと管弦楽のための
      コンツェルトシュテュック ヘ長調Op86

 ヘクター・マクドナルド(ホルン)(5)
 エリック・クシュナー(ホルン)(5)
 マルクス・オプマン(ホルン)(5)
 ゲオルク・ゾンライトナー(ホルン)(5)
 ファビオ・ルイージ指揮
  ウィーン交響楽団
 録音 2006年2月18&19日(1)
     2008年11月5&6日(2)
     2007年12月1&2日(3)
     2007年4月30日&5月2日(4)
     2008年1月7&8日(5)
      ライヴ録音

 ファビオ・ルイージがウィーン交響楽団を指揮したシューマンの交響曲全集です。4本のホルンと管弦楽のためのコンツェルトシュテュックもあります。
 交響曲第1番は1841年に書かれています。シューマンの交響曲は4曲とも人気がありますが、この第1番は「春」の副題があって初稿では第1楽章「春の始まり」、第4楽章「春たけなわ」などの標題までありました。それだけに聴いていても楽しい作品です。ルイージの演奏は迫力ある名演です。
 交響曲第2番ハ長調は1845〜46年の作品。第1楽章から迫力ある演奏です。第2楽章のスケルツォも良い響きです。第3楽章:アダージョ・エスプレシーヴォはきれいな演奏です。第4楽章はアレグロ・モルト・ヴィヴァーチェで勢いのある演奏です。終結のティンパニは迫力があります。
 交響曲第3番変ホ長調「ライン」は1850年の作品。シューマンの代表的な交響曲です。迫力がある第1楽章は素晴らしい演奏です。ホルンが良い響きです。第2楽章のスケルツォも素晴らしい演奏です。この親しみやすい主題がきれいです。ここでもホルンが素晴らしい響きです。第3楽章は木管がきれいな演奏です。そして弦楽もきれいな演奏です。第4楽章は木管、ホルンが良い響きです。またティンパニが入って迫力もあります。第5楽章は勢いのある演奏です。この曲の聴きどころです。ホルンも良い響きです。トランペットも活躍します。名演です。
 交響曲第4番ニ短調は1841年に書かれていますが、1851年の改訂版で通常演奏される楽譜を使用しています。第1楽章はルイージの演奏は実に流麗でオーケストラの響きの良さが素晴らしいです。この第4番の交響曲はメンデルスゾーンの第3番「スコットランド」と同様に楽章間の休みをとらないで続けて演奏されます。第2楽章はオーボエとチェロのソロに始まり、やがてヴァイオリンのソロも入ります。良い響きです。第3楽章:スケルツォの華やかな響きが素晴らしい。勢いのある演奏です。トリオはきれいな演奏です。第4楽章の演奏もきれいな演奏です。迫力もあります。金管も良い響きです。後半のホルン・セクションも見事な演奏です。これも名演です。

 4本のホルンと管弦楽のためのコンツェルトシュトゥックは名曲ですがホルン奏者にとっては難曲でもあります。4人の息の合った演奏は素晴らしいものです。第1楽章冒頭の和音、そして4本のホルンのファンファーレ、何度聴いてもよい響きです。ホールの残響が素晴らしい。4人のホルンの音色は調和がとれていて素晴らしいアンサンブルになっています。ハイトーンもきれいです。第2楽章のロマンツェは4本のホルンが大変良い響きの演奏になっています。第3楽章は緊張感のある演奏で4本のホルンが最高のアンサンブルを奏でながら演奏しています。トップのマクドナルドはハイトーンもよい響きです。この演奏も大変優秀です。素晴らしい演奏です。


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