アーノルドのホルン作品

ホルン協奏曲第2番/ベン・ゴルトシャイダー(2021)
CD(Willowhayne Records WHR068)

ホルン協奏曲集
1.アーノルド/ホルン協奏曲第2番Op58
2.シェーンベルガー/ホルン協奏曲ヘ長調
3.ルース・ギップス/ホルン協奏曲Op58

 ベン・ゴルトシャイダー(ホルン)
 リー・レイノルズ指揮
  フィルハーモニア管弦楽団
 録音 2021年3〜5月
  ヘンリー・ウッド・ホール、ロンドン

 ベン・ゴルトシャイダーはピエール・ブーレーズ・アンサンブルのメンバーで、ウエスト=イースタン・ディヴァン管弦楽団の首席ホルン奏者です。
  マルコム・アーノルド(1921-2006)のホルン協奏曲第2番は1956年にデニス・ブレインのために作曲されました。この協奏曲はブレインのために書かれたこともあり、超絶技巧を必要とします。21世紀最初の録音になります。第1楽章の跳躍するような主題は長く、上昇下降の音階など息つくひまのないような難曲です。ゴルトシャイダーの演奏は素晴らしいです。後半も素晴らしい響きです。オーケストラもよい響きです。第2楽章のアンダンテ・グラチオーソは哀愁的なメロディが流れます。後半にゲシュトップ音も響きます。素晴らしい演奏です。第3楽章の主題のきつさはあらゆるホルン協奏曲の中でもダントツで、超絶技巧を要する難曲です。録音が少ないのも納得です。ゴルトシャイダーの演奏は素晴らしいです。見事な演奏です。

 クリストフ・シェーンベルガー(1961-)のホルン協奏曲ヘ長調は世界初録音になります。3つの楽章で構成されています。30分の大曲です。第1楽章はアンダンテの序奏とアレグロの主部になります。現代作品ですがロマン派の作品のようにきれいな響きです。ホルンもきれいな主題を歌います。細やかな主題もあります。ゴルトシャイダーの演奏は素晴らしいです。中間部はオーケストラがよい響きです。ホルンの主題も穏やかになります。後半にはフルートの良い響きが聴かれます。そしてホルンがきれいに歌います。終結は見事な演奏です。第2楽章のアダージョ・ノン・トロッポはホルンの良い響きに始まります。この長い楽章もゴルトシャイダーの演奏は素晴らしいです。後半の演奏もきれいです。ティンパニも良い響きです。木管の響きもきれいです。ホルンも良い響きです。第3楽章のロンドはアレグロ・モデラートです。ホルンの華やかな響きとティンパニも良い響きです。ここにきて、この曲の盛りあがりが聴かれます。素晴らしい名曲です。これから多くの演奏が聴きたいものです。ゴルトシャイダーの演奏は素晴らしいです。

 ルース・ギップス(1921-1999)の「ホルン協奏曲」は3つの楽章で構成されています。第1楽章のコン・モトはきれいなホルンに始まります。ハイトーンも使う見事な演奏です。低音も使いますので、難しそうです。それでもゴルトシャイダーのホルンは楽しそうです。中間部には細やかな主題も歌われます。カデンツァもあります。見事な演奏です。第2楽章のアレグレットは木管と共にホルンが歌います。オーケストラもよい響きです。勢いのある演奏で、ホルンも流麗な演奏です。後半の木管の響きもきれいです。そしてホルンがきれいに歌います。第3楽章のアレグロ・リトミコはパーカッションの響きもあって華やかな演奏です。ホルンも素晴らしいです。中間部では木管とホルンが良い響きです。後半は盛り上がってきます。シロフォンの響きも聞こえます。終結は素晴らしい響きです。見事な演奏です。


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