モーツァルト/ホルン協奏曲全集

ヘルマン・バウマン(1973)


LP(テレフンケン SLA 1083)
CD1(TELDEC WPCS−5973)
CD2(TELDEC 242 757−2)

ナチュラルホルンによる初の協奏曲全集
1.ホルン協奏曲第3番変ホ長調K447
2.ホルン協奏曲第2番変ホ長調K417
3.ホルン協奏曲第1番ニ長調K412&514
4.ホルン協奏曲第4番変ホ長調K495

  ヘルマン・バウマン(ナチュラル・ホルン)
  ニコラウス・アーノンクール指揮
   ウィーン・コンツェントゥス・ムジクス
   録音 1973年11月&12月

 これは1976年3月新譜でした。曲順はこのままで、CDも同じ順序になっています。今でこそナチュラルホルンのモーツァルトは珍しくありませんが、この当時は驚きものでした。伝説的なロイトゲ―プが吹いていた当時の楽器で演奏したモーツァルトですからはたしてどんなものなのか興味が尽きませんでした。
 演奏は完璧で当時のホルン奏者たちが工夫しながら音階を吹けるようにした結果できた曲を楽々吹いているように聞えました。ナチュラルホルンだからこその面白さもあります。中でも2番はモーツァルトの茶目っ気たっぷりの心が音楽に表れています。それが第3楽章の中間部で、ホルンの閉止音(自然倍音で出せない音)の連続があるところでヴァイオリンが「キャッキャッキャッ」と笑うように弾くところが続きます。この部分は現代のホルンで演奏するとわかりませんがナチュラルホルンで吹くと、ロイトゲープが「まったくこんな音ばかりでまいった」ような顔で吹いているのをモーツァルトが笑いながら指揮するようで面白いです。
 楽器は1800年当時のボヘミアのホルン、そして1756年のウィーンのJ.Huschauerという楽器です。どちらがD管でどちらがE♭管なのかは不明です。  


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