モーツァルト/ホルン協奏曲全集

ミロシュ・ペトル(1978)

LP(SUPRAPHON OS−7123−S)
CD(SUPRAPHON  2SP 0005)

LP
モーツァルト/ホルン協奏曲全集
1.ホルン協奏曲第1番ニ長調K412&514
2.ホルン協奏曲第4番変ホ長調K495
3.ホルン協奏曲第2番変ホ長調K417
4.ホルン協奏曲第3番変ホ長調K447
  ミロシュ・ペトル(ホルン)
  リボル・フラヴァーチェク指揮
    ムジチ・デ・プラガ
   録音 1978年11月23日〜12月3日
CD
1.ホルン協奏曲第1番ニ長調K412&514
2.ホルン協奏曲第4番変ホ長調K495
3.ホルン協奏曲第2番変ホ長調K417
4.ホルン協奏曲第3番変ホ長調K447
5.アダージョとフーガ ハ短調K546

   ミロシュ・ペトル(ホルン)(1〜4)
  リボル・フラヴァーチェク指揮
    ムジチ・デ・プラガ(1〜4)
  ヨゼフ・ヴラフ指揮
   チェコ室内管弦楽団(5)
  録音 1978年11月23日〜12月3日(1〜4)
      1972年(5)

 ミロシュ・ペトルは1933年生まれのチェコのホルン奏者です。プラハ音楽院でオルドルジフ・セーリゲルに師事しています。プラハ交響楽団の首席ホルン奏者をつとめていました。ペトルのホルンはボヘミアのホルンの伝統を守るもので、明るく軽いヴィブラートをかけた演奏です。
 ホルン協奏曲第1番は明るいヴィブラートのきいたホルンがティルシャルが吹いているかののように聞こえます。現代においては聴かれないチェコのホルンの美しい響きがあります。第2楽章のロンドは軽やかなホルンでボヘミアのホルンらしく明るい響きがきれいな演奏です。
 ホルン協奏曲第4番は明るい響きのホルンが楽しそうに聞こえます。巧みなレガート、ホールに響くホルンのヴィブラート、なんともいえない美しい響きです。カデンツァはブレイン風に始まり、途中からシヴィルのカデンツァを吹いて最後はブレイン風に締めています。見事な演奏です。第2楽章のロマンツェは美しいロマンスが流れます。オーケストラの響きの良さも素晴らしいです。ボヘミアのホルンの美しさは何とも言えません。第3楽章のロンドは軽快なホルンが聴かれます。オーケストラのホルンもよく響きます。コーダ前のカデンツァは入りません。
 ホルン協奏曲第2番はオーケストラの前奏がきれいです。ホルンのソロは華やかな響きで歌われます。展開部のホルンはほの暗い響きがモーツァルトによく合います。再現部のハイトーンの美しさは素晴らしいものです。第2楽章のアンダンテはゆったりとしたテンポで歌いますのでホルンの美しい響きがたまりません。第3楽章のロンドは軽やかなホルンで楽しそうに演奏しています。中間部のトリルの省略は珍しいです。そのあとでも装飾音の省略があります。
 ホルン協奏曲第3番はやや速めのテンポです。ホルンのソロはこのテンポでもよく響きます。モーツァルトのホルン協奏曲ではなんといってもこの第3番がよくできています。ペトルの表現力の豊かさを感じます。再現部も見事な演奏です。カデンツァはペトルのオリジナルです。これは見事な演奏です。第2楽章のロマンツェはゆったりとした演奏で、きれいなロマンスです。これくらいのテンポがよいと思います。中間部の朗々と歌うホルンが素晴らしいです。第3楽章のアレグロは軽快なテンポで歌います。滑らかなホルンで明るい響きが素晴らしい。ミロシュ・ペトルのモーツァルトは今では貴重なボヘミアのホルンが聴ける録音です。
 アダージョとフーガ ハ短調は弦楽合奏のための作品です。チェコ室内管弦楽団の厚みのある演奏が素晴らしいです。


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