モーツァルト/ホルン協奏曲全集

バリー・タックウェル(1990)




CD1(Collins ISC−2507(11532)
CD2(Regis RRC1007)
CD3(Collins 11532)
CD4(alto ALC1107)
CD5(Collins SCO 021)

モーツァルト/ホルン協奏曲全集
1.ホルン協奏曲第1番ニ長調K412&514
2.ホルン協奏曲第2番変ホ長調K417
3.ホルン協奏曲第3番変ホ長調K447
4.ホルン協奏曲第4番変ホ長調K495
5.ホルン協奏曲第0番変長調K370b&371
6.フラグメント ホ長調K494a(98a)

  バリー・タックウェル(ホルン)
  バリー・タックウェル指揮
    フィルハーモニア管弦楽団
    録音 1990年7月

 このアルバムはタックウェル4度目のモーツァルト全集録音でした。曲数は1983年と同じですが、並べ方が面白く、1番ではK514のロンドを2曲続けて(タックウェル編とジェスマイヤー編)収録して3楽章にしています。そしてK370bとK371を2曲並べて第0番としたのは確かにそういう予定で書かれたと想像できますので、いいかもしれません。
 ホルン協奏曲第1番を聞くとタックウェルのモーツァルトの楽しさが伝わってきそうです。ロンドが2つ聴かれるのも面白いです。1983年の録音ではタックェル版のロンドにカデンツァが入りませんでしたがこの録音ではカデンツァが挿入されています。
 ホルン協奏曲第2番は演奏スタイルが変わっていないようにも思いますが、1983年の録音同様指揮もしていますので指揮棒を振るかのようにソロを微妙に早く吹いているときろもあります。音をスパッと切るのも緊張感を高めてくれます。ロンドは1971年ほど自由には吹いていませんが、Aの最後でトリルのあとに短いカデンツァを入れるところも吹き振りならではのものでしょう。
 ホルン協奏曲第3番はタックウェルのまろやかなホルンが最も合う曲でしょう。ここでもきれいなレガートで流麗な演奏を聞かせてくれます。カデンツァは1983年の録音を同じですが貫禄のある演奏でした。第3楽章はレガートのきれいな演奏です。
 ホルン協奏曲第4番はライヴ録音もありますが数多く演奏していることでしょう。タックウェルのモーツァルトはまろやかなホルンとレガートが魅力です。カデンツァは短くて1971年のカデンツァをさらに短くしたものです。第3楽章:ロンドの華麗な演奏はまた楽しいものです。なお、この録音ではじめてフレーズの繰り返しをしています。コーダ前にカデンツァが入ります。
 第0番の第1楽章K370bはタックウェルがスケッチを集めて初めて録音した作品です。1983年に次いで2度目の録音でした。編曲もなじみ深いタックウェルが施したものです。完全に彼の音楽になっています。カデンツァは短いです。ロンドK371はタックウェルの編曲で3度目の録音です。この演奏も楽しいものです。
 このモーツァルトはさすがに1971年の時のような面白さはありませんが、円熟の演奏といいましょうか、落ち着いた堂々とした演奏です。さすがです。タックウェルのモーツァルトは演奏のお手本といえます。


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