モーツァルト/ホルン協奏曲全集

ヤコブ・スラフテル(1991)


CD1(CANAL GRANDE CD−9211)
CD2(CHANNEL CLASSICS CCS 1591)

モーツァルト/ホルン協奏曲全集
1.ホルン協奏曲第4番変ホ長調K495
2.ホルン協奏曲第2番変ホ長調K417
3.ホルン協奏曲第3番変ホ長調K447
4.ホルン協奏曲第1番変ホ長調K412

  ヤコブ・スラフテル(ホルン)
  ユルゲン・クスマウル指揮
  アムステルダム・モーツァルト・プレイヤーズ
     録音 1991年1月  

 ヤコブ・スラフテルは1958年生まれのオランダのホルン奏者です。ロイヤル・コンセルトヘボウの首席ホルン奏者をつとめています。アムステルダムのスウェーリンク音楽院の教授でもあります。スラフテルのホルンは明るく豊かな音量が聞かれます。
  ホルン協奏曲第4番の演奏は明るく透明感のある音色で吹いています。第1楽章のカデンツァは重音奏法まで使った見事な演奏です。第2楽章では軽いビヴラートを入れた美しいロマンスになっています。第3楽章:ロンドは軽やかで勢いがあります。中間部では1フレーズのリピートがあります。コーダ前のカデンツァはありません。
  ホルン協奏曲第2番は第1楽章を伸びやかなホルンで朗々と吹いてくれます。レガートのうまさは素晴らしい。展開部の美しさは白眉です。第2楽章はこちらも透明感のある響きでまさに美しい限りでしょう。力みの無い優れた演奏です。第3楽章:ロンドはやや遅めのテンポで丁寧な演奏です。それでトリルがきれいになっています。転調部分のきれいなことも聴き所です。
  ホルン協奏曲第3番はこちらも明るく安定感のある素晴らしい演奏です。第1楽章展開部のうまさ、レガートの巧みさなど枚挙にいとまがありません。自由奔放なカデンツァの見事な演奏も聞きものです。第2楽章:ロマンスは第4番同様実にすばらしく、スラー、レガートと絶品そのものです。第3楽章:ロンドは滑らかなホルンで響きのよさは抜群です。軽快なホルンはモーツァルトの楽しみでもあります。
  ホルン協奏曲第1番はオーケストラの響きが大変きれいです。スラフテルのホルンは相変わらず明るく伸びやかです。ブレイン同様お手本のような演奏です。第2楽章はジェスマイアーの版を使用しています。
  この演奏は大変素晴らしく、デニス・ブレインに比肩しうるものです。音色の美しさ、レガートのうまさ、音楽性の豊かさ低音から高音までの安定した音色は絶品です。なお、演奏メンバーにトゥーニス・ファン・デァ・ズヴァールトの名があります。後にナチュラルホルンを吹くようになる前の演奏です。


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