R・シュトラウス/ホルン協奏曲

1&2番/バリー・タックウェル(1990)


CD1(LONDON POCL−1116)
CD2(DECCA 430 370−2)
CD3(LONDON POCL−5280)

R・シュトラウス/ホルン協奏曲集
1.ホルン協奏曲第1番変ホ長調Op11
2.アンダンテ
3.月光の音楽〜歌劇「カプリッチョ」より
4.アルプホルン
5.序奏、主題と変奏Op17  
6.ホルン協奏曲第2番変ホ長調

 バリー・タックウェル(ホルン)
 マリー・マックラフリン(ソプラノ)(4)
 ウラディミール・アシュケナージ(ピアノ)(2、4&5)
 ウラディミール・アシュケナージ指揮
  ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団(1、3&6)
   録音 1990年2月

  このアルバムはリヒャルト・シュトラウスのホルン作品を収録したものです。2つのホルン協奏曲はタックウェルの24年ぶりの再録音でした。協奏曲の他にアシュケナージのピアノ伴奏で「アンダンテ」と「アルプホルン」の他に初期の作品「序奏、主題と変奏」が収録されています。 カプリッチョの第13場への前奏曲が「月光の音楽」です。
  ホルン協奏曲第1番は通常の楽譜とはいくつかの相違点があり、「おやっ」と思います。序奏部分、第1楽章の終結に大きな違いがあります。同じく第3楽章のカデンツァでも違いがあります。カデンツァはホルン協奏曲のピアノ版のオリジナル(水野信行の録音)と同じですがオーケストラの部分の違いは版についての説明はありません。演奏はさすがに素晴らしいものです。若いときのようなコクのあるホルンの響きがあります。
  「アンダンテ」はタックウェルの初録音です。ホルンとアシュケナージのピアノの作り出す響きが一味違います。
  「月光の音楽(歌劇「カプリッチョ」より)」はホルン・ソロの有名な場面で、単独でも演奏されます。短いですがホルン・ソロの魅力的な作品でしょう。
  「アルプホルン」は14歳の作品ですが、完成度の高さは少年の作とは思えません。冒頭のアルプホルンを吹くようなホルンのメロディがのどかです。そしてマックラフリンのソプラノ歌唱が優しい声で聴かれます。
  「序奏、主題と変奏」もR・シュトラウスが14歳の時に作曲したのですが、とてもそんな若いときの作品とは思えません。かなりの難曲です。録音が少ないのはそのためでしょうか。タックウェルにかかれば容易なものかもしれません。
  ホルン協奏曲第2番はやや遅めの第1楽章冒頭にびっくりでした。1966年の時にはバリバリ吹いていましたが、59歳のタックウェルは落ち着いて朗々と吹いていました。この2番は他とは比べようもない大きな音楽を感じます。シュトラウスの偉大な管弦楽作品の中にホルンが入ったような音楽です。レガートのきれいなことオーケストラの中の存在感、申し分ありません。第3楽章の勢いのある演奏は円熟味を感じます。
(CD1は1991年発売のポリドール国内盤、CD2は1991年発売のDECCAドイツ盤、CD3は1997年発売のポリグラム国内盤)


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