ブラームス/ホルン三重奏曲

ズデニェク・ティルシャル(1976)
CD(SPURAPHON COCO−70798−9)2枚組

スーク・トリオのブラームス
1.ピアノ三重奏曲第1番ロ長調Op8
2.ピアノ三重奏曲第2番ハ長調Op87
3.ピアノ三重奏曲第3番ハ短調Op101
4.ホルン三重奏曲変ホ長調Op40

 ヨゼフ・スーク(ヴァイオリン)(1〜4)
 ヨゼフ・フッフロ(チェロ)(1〜3)
 ズデニェク・ティルシャル(ホルン)(4)
 ヤン・パネンカ(ピアノ)(1〜4)
   録音 1976年9月7〜11日
    プラハ、芸術家の家

 スーク・トリオのブラームスです。3曲のピアノ三重奏曲は初期の1番と中期の2番では作風の違いがよくわかります。
 ピアノ三重奏曲第1番は第1楽章「アレグロ・コン・ブリオ」、第2楽章「スケルツォ、アレグロ・モルト」、第3楽章「アダージョ」、第4楽章「アレグロ」です。第1楽章はきれいな主題が時にはユニゾーンで歌われます。そしてヴァイオリンとチェロがユニゾーンのように響くこともあります。中間部も良い響きです。歌曲のようにきれいなメロディが歌われます。第2楽章は軽かなスケルツォです。ピアノが華麗に響きます。そこにヴァイオリンとチェロが細やかに演奏しています。トリオの部分はきれいな演奏です。第3楽章のアダージョは穏やかにトリオで演奏されます。チェロのきれいなソロも歌われます。第4楽章はヴァイオリンとチェロがきれいな主題を歌います。ピアノもきれいに響きます。見事な演奏です。
 ピアノ三重奏曲第2番は第1楽章「アレグロ」、第2楽章「アンダンテ・コン・モト」、第3楽章「スケルツォ、プレスト」、第4楽章「アレグロ・ジョコーソ」です。第1楽章は冒頭から厚みのある演奏で、ヴァイオリンとチェロが良い響きです。ピアノも力強い演奏です。そしてピアノが協奏曲のようにリードしていきます。力強い演奏でヴァイオリンとチェロも演奏しています。ブラームスの力強い音楽を感じます。第2楽章はヴァイオリンとチェロがユニゾーンできれいな主題を歌い始めます。ピアノも良い響きです。スークとフッフロの演奏は素晴らしいです。第3楽章は華麗な演奏のスケルツォです。細やかで勢いがあります。そして力強い演奏になります。第4楽章は冒頭から勢いのある演奏です。このトリオが燃える演奏をしているようです。力強い演奏です。これは素晴らしい演奏です。
 ピアノ三重奏曲第3番は晩年の作品でブラームスの構築された大きな音楽があります。第1楽章「アレグロ・エネルジコ」、第2楽章「プレスト・ノン・アッサイ」、第3楽章「アンダンテ・グラチオーソ」、第4楽章「アレグロ・モルト」です。第1楽章は冒頭から、重厚な響きで始まります。力の入る演奏です。ピアノの厚い響きがブラームスの魅力でもあります。ヴァイオリンとチェロがユニゾーンのように厚い響きで演奏しています。第2楽章は軽やかに始まります。チェロのピツィカートが良い響きです。ピアノの力強い響きも聴かれます。第3楽章はヴァイオリンとチェロが主題を歌い始めます。ピアノと共に良い響きです。第4楽章のアレグロ・モルトは力のこもった演奏です。ヴァイオリンとチェロが厚い響きで演奏しています。ピアノも素晴らしい響きです。チェロの深い響きは印象的です。これは素晴らしい演奏です。

 ホルン三重奏曲はティルシャルとスークとパネンカによる演奏です。第1楽章のアンダンテはスークのヴァイオリンと共にティルシャルがホルンを吹いていてきれいな音色です。素晴らしい響きです。ティルシャルの演奏は表現力が豊かです。スークのヴァイオリンもきれいな演奏です。第2楽章のスケルツォは力強いホルンでスケルツォを楽しそうに演奏しています。スークのヴァイオリンとの掛け合いもきれいです。トリオのホルンとヴァイオリンもきれいです。第3楽章のアダージョ・メストはパネンカのピアノとスークのヴァイオリンと共にティルシャルのホルンの見事な演奏が聞かれます。やわらかな響きのホルンは美しい響きです。第4楽章のアレグロ・コン・ブリオはティルシャルのやわらかなホルンがスークと共に力強い演奏をしています。ピアノのきらめきと共に実に素晴らしい演奏になっています。これは大変素晴らしい名演です。絶賛したいです。


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