ブラームス/ホルン三重奏曲

アンドレ・カザレ(1989)
CD(DISQUES MONTAIGNE 782006)

1.ブラームス/ホルン三重奏曲変ホ長調Op40
2.リゲティ/ホルン三重奏曲(1982)

  アンドレ・カザレ(ホルン)
  ギ・コメンターレ(ヴァイオリン)
  シリル・ユーヴェ(ピアノ)
  録音1989年9月1〜3日
   ラジオ・フランス/103スタジオ

 アンドレ・カザレ33歳の演奏です。ホルンの古典ブラームスと、ブラームス生誕150年に作曲されたリゲティのホルン三重奏曲が収録されています。
 カザレのブラームスは第1楽章:アンダンテが穏やかで丁寧な演奏です。ピアノとヴァイオリンとの相性もよく、コーダの盛り上がりも良い響きです。第2楽章:スケルツォは快活な演奏ですが押さえの利いた素晴らしい演奏です。ヴァイオリンとホルンで作る絶妙な和音もいいものです。第3楽章:アダージョ・メストは哀愁的な主題がヴァイオリンとホルンで歌われます。このレガートが素晴らしい。第4楽章:アレグロ・コン・ブリオは圧巻です。気迫に満ちた演奏です。力の入った演奏でホルン、ヴァイオリンとピアノがぶつかり合いという印象を受けます。
  リゲティのホルン三重奏曲は1982年の作品でバウマンが初演していました。リゲティがブラームスへ生誕150年のオマージュ(敬意)として作曲した4楽章のホルン三重奏曲です。12音技法の大変難しい曲です。この3人の演奏は明快でわかりやすく聞いていて気持ちがいいです。カザレのホルンは完璧で抜群のテクニックで演奏しています。第2楽章のヴィヴァーチッシモ・モルト・リトミコは速いテンポですが素晴らしい演奏になっています。この演奏も緊張感があります。第3楽章:アラ・マルシアはヴァイオリンとピアノで始まります。ミュートを使うホルンとヴァイオリンの響きが似ていて面白い和音です。それにしても難しい楽章です。第4楽章:ラメント/アダージョは緩徐楽章でピアノとヴァイオリンの響きをたっぷり味わうことができます。後半からホルンが絡んできますが、リゲティ独特の響きになっています。重厚な楽章です。


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