R・シュトラウス/ホルン協奏曲

1&2番/マリー=ルイーズ・ノイネッカー(1995)


CD1(EMI 7243 5 56183 2)
CD2(EMI  50999 7 23547 2)
CD3(WANER WPCS−23327)

1.R・シュトラウス/ホルン協奏曲第1番変ホ長調
2.ブリテン/セレナードOp31
3.R・シュトラウス/ホルン協奏曲第2番変ホ長調

  マリー=ルイーズ・ノイネッカー(ホルン)
  イアン・ボストリッジ(テノール)(2)  
  インゴ・メツマッヒャー/バンベルク交響楽団
  録音 1995年4月27日&28日(1)
      1995年9月22日&23日(2)
      1996年4月18日&19日(3)

 ノイネッカーが録音したシュトラウスのホルン協奏曲とブリテンのセレナードです。
 リヒャルト・シュトラウスのホルン協奏曲第1番は歯切れの良い演奏です。タンギングがきれいです。滑らかな音はペンツェル先生仕込みでしょうか。第1楽章展開部の勢いのある演奏とチェロとの二重奏も聴きどころ、第2楽章のカンタービレはさすがに素晴らしいホルンが聴かれます。第3楽章のロンドは軽快で勢いのあるホルンです。中間部からは流麗そのものです。カデンツァは歌うように演奏しています。コーダは見事な演奏でした。
 ブリテンのセレナードはプロローグをしっかりと自然倍音で演奏しています。ドイツの演奏ではオピツのように自然倍音を使わない演奏もありますが、さすがにノイネッカーはそれはやりませんでした。ただ最後のAはB♭までは上がりきれていませんでした。第2曲「パストラール」はテノールとホルンが良い響きです。第3曲「ノクターン」は弦楽の勢いのある響き、テノールに応答するホルンの響きは狩りのホルンのようです。第4曲「エレジー」は半音階のホルンがきれいなロングトーンです。第5曲「ジーグ」はホルンが最後にグリッサンドをかけて演奏します。第6曲「賛歌」はホルンで始まる速いテンポの小品で弦楽のピツィカートも勢いがあります。ノイネッカーの鮮やかなホルンが素晴らしい。第7曲「ソネット」はホルンが抜けて演奏会ではステージ裏に移動します。第8曲「エピローグ」は「プロローグ」と同じ楽譜をステージ裏で演奏して終わります。見事な演奏です。なおテノールのボストリッジは2005年にバボラークのホルンで再録音しています。
 リヒャルト・シュトラウスのホルン協奏曲第2番は冒頭のソロからは歌があります。ノイネッカーの演奏は表現力豊かで素晴らしいです。そしてこの演奏ではバンベルク響の演奏に注目で、リヒャルト・シュトラウスの雄大な響きを出しています。第2楽章のオーボエに続くホルンのソロはオーケストラと一体化したものでこの作品の隠れた魅力を感じます。第3楽章のロンドはさすがに見事な演奏です。メリハリをつけたホルン、オーケストラの勢いのある演奏が素晴らしいです。
 CD1は1996年発売のEMI盤、CD2は2013年発売のEMIドイツ盤、CD3は2016年発売のWANER盤


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