プーランク/エレジー

ペーター・ダム(1981)


CD1(BERLIN Clasics 0014062BC)
CD2(BERLIN Clasics 0301780BC)
CD1
ホルンとオルガンのための音楽
1.クレブス/ Wachet auf, ruft uns die Stimme
2.フィンガー/ソナタ ト長調
3.ホミリウス/ Zwei Chorabearbeitungen 
4.ヴィヴィアーニ/ホルン・ソナタ 
5.クレブス/ Was mein Gott will, 
          das gescheh allzeit
6.プーランク/エレジー
7.クロル/ミサ・ムータOp55
8.A・ウェーバー/即興曲

  ペーター・ダム(ホルン)(1〜3、5〜8)
      〃  (ディスカント・ホルン)(4)
  ハンスユルゲン・ショルツェ(オルガン)
  録音 1981年5月5〜9日ドレスデン教会
CD2
1.R・シュトラウス/ホルン協奏曲第1番変ホ長調
2.    〃    /ホルン協奏曲第2番変ホ長調
3.モーツァルト/ホルン五重奏曲変ホ長調 K407
4.プーランク/エレジー(ショルツェ編)
 ペーター・ダム(ホルン)
 ハインツ・レーグナー指揮(1&2)
  ドレスデン・シュターツカペレ(1&2)
 ルドルフ・ウルブリヒ(ヴァイオリン)(3)
 ヨアヒム・ジンドラー(ヴィオラ)(3)
 ヨアヒム・ウルブレヒト(ヴィオラ)(3)
 クレメンス・ディルナー(チェロ)(3)
 ハンスユルゲン・ショルツェ(オルガン)(4)
  録音 1970年3月30日〜4月3日(1&2)
      1974年11月4〜7日(3)
      1981年5月5〜9日(4)

 CD1はホルンとオルガンのための音楽です。 ペーター・ダムの明るくやわらかな彼独特のホルンが教会に響くと、オルガンのようです。ドイツでは古くから演奏されていたのでしょう。バウマンに続く録音でした。ヴィヴィアーニのソナタは来日の時にもい演奏しました。プーランクのエレジーはピアノ伴奏の曲ですがオルガンで聞くのもいいものです。
 ベルンハルト・クロルとアライン・ウェーバーの作品は現代作品、クレブスとホミリウスの作品はコラール作品です。心が癒されるアルバムです。
 CD2のR・シュトラウスのホルン協奏曲第1番は冒頭の和音の最後にティンパニの一打がありますが、その後に響くダムの明るい響きのホルンは発売当時は聴いたことのない響きでした。このホルンに憧れたホルン奏者は多く、ドイツ留学はかなりの数のようです。さてダムのホルンによるシュトラウスは1975年にもケンペとの録音があるのですがこのレーグナーとの録音ほど強烈な印象を与えた演奏もないでしょう。完璧で常にこの明るい響きを保持しながらホルンを吹くダム先生のホルンは最後まで素晴らしい響きです。第3楽章のホルンは控えめに始まりますが、やはりこのホルンは驚きです。後半ののカデンツァがホール一杯に響くのは感動的です。
 R・シュトラウスのホルン協奏曲第2番はこちらも冒頭のソロがホール一杯に響きます。力強い演奏ばかりがすべてではないというような流麗なホルンが響きます。レーグナーという指揮者はまたオーケストラから素晴らしい響きを引き出しており、ダムのホルンを支えながら大きな音楽を作り出しています。第1番同様シュトラウスの作品から最高の響きを引き出しています。第2楽章の滑らかなホルンは素晴らしいです。第3楽章も美しい響きと盛り上げのうまさ、さすがにダムのホルンは素晴らしいです。流麗なホルンがオーケストラと共に聴かれます。名演です。
 モーツァルトのホルン五重奏曲はダムの唯一の録音です。第1楽章はホルンが明るい響きで流麗なホルンはモーツァルトの美しい主題を歌います。弦楽も緻密な良い演奏です。チェロの美しい響きは印象的です。第2楽章のアンダンテはホルンの滑らかな美しさが聞きものです。弦楽もモーツァルトの天国的な美しさがあります。第3楽章のロンドの演奏もきれいな響きです。滑らかなホルンでハイトーンもよく響きます。カデンツァも入ります。大変素晴らしい演奏です。
 プーランクの「ホルンとピアノのためのエレジー」は1957年に亡くなったデニス・ブレインを偲んでプーランクが作曲した名曲です。これはショルツェ編曲によるオルガン伴奏です。最初にデニス・ブレインのテーマ、そして事故で車がクラッシュする音がグリッサンドで表現されます。オルガンの響きもきれいです。あとは奥深い響きのホルンがエレジーを歌います。ダムのホルンは透明感のあるホルンがきれいです。オルガン伴奏もきれいなものです。オルガン伴奏ですから後半に圧倒的な響きが聴かれます。良いアルバムです。


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