プーランク/エレジー

アンドレ・カザレ(1989)
CD(LONDON 425861-2)

1.サン=サーンス/デンマークとロシアの歌による
              奇想曲Op79
2.ダンディ/サラバンドとメヌエットOp24
3.ルーセル/ディヴェルティメントOp6
4.タンスマン/魔法使いの踊り(1922)
5.フランセ/恋人に都合の良い時間
6.プーランク/ホルンとピアノのためのエレジー
7.ミヨー/ピアノ、フルート、オーボエと
      クラリネットのためのソナタOp47

  パスカル・ロジェ(ピアノ)(1〜7)
  カトリーヌ・カンタン(フルート)(1〜5&7)
  モーリス・ブルグ(オーボエ)(1〜5&7)
  ミシェル・ポルタル(クラリネット)(1〜5&7)
  アマウリー・ヴァレーズ(ファゴット)(2〜4)
  アンドレ・カザレ(ホルン)(2〜6)
   録音1989年6月

 フランスの音楽家達による珍しいフランスの室内楽作品集です。 サン=サーンスの「デンマークとロシアの歌による奇想曲」はフルート、オーボエ、クラリネットとピアノのための作品で、その音色の華麗なことは特筆すべきでしょう。
 ダンディの「サラバンドとメヌエット」はフルート、オーボエ、クラリネット、ファゴット、ホルンとピアノの六重奏曲です。静かに始まるサラバンドはフルートの主題、そしてオーボエ、ホルンの作り出す和音の美しさがあります。メヌエットは華麗な響きがききものでしょう。
 ルーセルの「ディヴェルティメント」もピアノと木管五重奏による六重奏曲です。単一楽章ですが緩やかな部分とテンポの速い部分があり変化に富んだ作品です。
 タンスマンの「魔法使いの踊り」もピアノと木管五重奏による六重奏曲ですが、不協和音が響くところは20世紀の作品らしいです。5分ほどの小品。
 フランセの作品はビヤホールの音楽「恋人に都合の良い時間」という題名で1947年の作品。ファゴットを抜いた五重奏です。3つの楽章で構成されています。ビヤホールの音楽だけに面白い音楽で、第2曲の「ピンナップ・ガール」が特に聴きもの。
 プーランクの「エレジー」だけがホルンとピアノによる演奏です。こちらは1957年に急死したデニス・ブレインを偲んで作曲されています。カザレのホルンは明るく伸びやかでパスカル・ロジェのピアノと相性がよいようです。エレジーの穏やかなホルンの響きはこの曲のききどころです。
 最後のミヨーの作品はピアノ、フルート、オーボエとクラリネットのためのソナタで4つの楽章から構成されています。全曲19分の演奏時間はこのアルバムで最も大きな作品です。緩急のテンポ変化、ミヨー独特の音作りはフランスの室内楽作品を聞く楽しみでもあります。 


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