プーランク/エレジー

リチャード・ワトキンス(1998〜99)
CD(hyperion CDA67255/6)

プーランク/室内楽作品全集
CD1
 1.ピアノ、フルート、オーボエ、クラリネット、
    ファゴットとホルンのための六重奏曲(1932)
 2.ヴァイオリン・ソナタ(1942-43)
 3.2本のクラリネットのためのソナタ
 4.ホルン、トランペットとトロンボーンのためのソナタ
 5.チェロ・ソナタ(1940〜48/53改訂)
CD2
 6.クラリネット・ソナタ(1962)
 7.ギター・ソロのためのサラバンド(1960)
 8.ピッコロとピアノのためのヴィラネル(1934)
 9.オーボエ・ソナタ(1962)
10.ホルンとピアノのためのエレジー(1957)
     〜デニス・ブレインの思い出に
11.ピアノ、オーボエとファゴットのための三重奏曲
12.クラリネットとファゴットのためのソナタ
13.フルート・ソナタ(1956〜57)

  ナッシュ・アンサンブル
  フィリッパ・デイヴィース(フルート)(1&13)
       〃      (ピッコロ)(8)
  ギャレス・ハルス(オーボエ)(1、9&11)
 リチャード・ホスフォード(クラリネット)(1、3、6&12)
  マイケル・ハリス(クラリネット)(3)
  ウルスラ・レヴォー(ファゴット)(1、11&12)
  リチャード・ワトキンス(ホルン)(1、4&10)
  ジョン・ワレース(トランペット)(4)
  デイヴィッド・パルサー(トロンボーン)(4)
  レオ・フィリップス(ヴァイオリン)(2)
  ポール・ワトキンス(チェロ)(5)
  クレイグ・オグデン(ギター)(7)
 イアン・ブラウン(ピアノ)(1、2、5、6、8〜11&13)
  録音1998年12月22&23日及び
     1999年1月11〜13日
    ヘンリー・ウッド・ホール

 プーランクの室内楽は人気がありますので録音は多いです。このアルバムはナッシュ・アンサンブルによるものでプーランクの室内楽作品の全曲を演奏しています。「六重奏曲」は名曲で度々演奏されます。「ヴァイオリン・ソナタ」は3つの楽章からなる作品でメニューインの録音がありますが、レオ・フィリップスの演奏もまた見事な演奏です。
 「2本のクラリネットのためのソナタ」は珍しい組み合わせですが、フランスの管楽器の明るさを堪能できる名曲です。「ホルン、トランペットとトロンボーンのためのソナタ」は金管アンサンブルのバイブルともいえる作品です。
 「チェロ・ソナタ」はピエール・フルニエの演奏によって有名になりました。ポール・ワトキンスのチェロの響きは心を打つもので大変素晴らしいものです。「クラリネット・ソナタ」は1963年にベニー・グッドマンが初演した名作です。マイケル・ハリスの演奏は鮮やかなテクニックで素晴らしいものです。「ギター・ソロのためのサラバンド」は珍しい作品で滅多に聞かれないものでしょう。
 「ピッコロとピアノのためのヴィラネル」はもともとリコーダーのために書かれたようで短い小品です。「オーボエ・ソナタ」はサン=サーンスのオーボエ・ソナタ同様オーボエ奏者にとっては重要な作品でピエール・ピエルロによって初演された名曲です。
 「ホルンとピアノのためのエレジー」は1957年に亡くなったデニス・ブレインを偲んでプーランクが作曲した名曲です。最初にデニス・ブレインのテーマ、そして事故で車がクラッシュする音がグリッサンドで表現されます。あとは奥深い響きのホルンがエレジーを歌います。ワトキンスの透明な響きのホルンはまさに名演といえます。
 「ピアノ、オーボエとファゴットのための三重奏曲」は珍しい組み合わせです。オーボエとファゴットが二重奏を奏でるところは面白く、2つの管楽器をソロ楽器として歌わせる楽しい作品です。  「クラリネットとファゴットのためのソナタ」はこれも珍しいデュオですが、同じ組み合わせでベートーヴェンの作品があります。相性の良い楽器ですから楽しい音楽になります。
 「フルート・ソナタ」はランパルによって初演された20世紀を代表するフルート作品です。録音も多いですが、フィリッパ・デイヴィースのフルートも素晴らしい響きです。第3楽章の速いフレーズも見事です。


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