ブラームス/ホルン三重奏曲

水野 信行(1997)

CD1(MEISTER MUSIC MM−1043)
CD2(MEISTER MUSIC MM−2085)

ロマンティッシェ・ホルンムジーク
1.デュカス/ヴィラネル
2.サン=サーンス/ロマンスOp36
3.ビュッセル/カントゥコール
4.F・シュトラウス/夜想曲Op7
5.R・シュトラウス/アンダンテ
6.シューマン/アダージョとアレグロ
7.ブラームス/ホルン三重奏曲変ホ長調

  水野 信行(ホルン)(1〜7)
  ワルター・フォルヒャルト(ヴァイオリン)(7) 
  青木 紀子(ピアノ)(1〜7)
   録音 1997年12月19〜21日  
     石川県根上町総合文化会館「タント」

  水野信行2枚目のアルバムは2年後の録音になります。これはブラームス以外はピアノとのデュオです。
  冒頭のヴィラネルはダム先生が吹いているかのような明るい響きで、伸びやかに、そして奥深いホルンの響きはこの難曲に芸術的な価値を高めてくれた名演として特筆すべきでしょう。ピアノの伴奏も素晴らしいのひとこと。
  サン=サーンスのロマンスはロマンティックそのもので、ピアノの奥深い響きとホルンの奥深い響きがなんともいえません。数あるこのロマンスの録音の中でも白眉の名演です。
  ビュッセルの「カントゥコール」はフランスのホルンの明るい響きを生かした作品ともいえそうで、水野の明るい響きはその表現力の巧みなことでこの作品に輝きを与えています。
  フランツ・シュトラウスの「夜想曲」は盛んに演奏される定番曲になりましたが、この水野の演奏は奥深い響きで音量の豊かさや表現力の素晴らしさに惚れ惚れします。中間の速いテンポは鮮やかな演奏で見事です。リヒャルト・シュトラウスの「アンダンテ」は穏やかな中にも勢いを感じさせる名演です。
  シューマンの「アダージョとアレグロ」はダム先生の演奏を彷彿させるホルンの響きが素晴らしく、伸びのあるアダージョはピアノのからみも良くてホール一杯に響くホルンは絶品です。絶妙なスラーは完璧です。アレグロの息の長い演奏は見事です。
  ブラームスはダム先生お得意の曲ですが水野のホルンもダム先生に比肩する素晴らしい演奏です。第1楽章のレガートの素晴らしさ、ヴァイオリンとの掛け合いピアノとのバランスの良さと言うことなしです。第2楽章のスケルツォの勢いのある演奏もまた素晴らしい。第3楽章:アダージョ・メストの演奏はこの曲の中でも難しいところですがバランスの良さ、ピアノの絶妙な演奏が聞きもの。フィナーレは勢いのあるホルンの巧みな演奏が素晴らしい。そして安定したホルンの音色は素晴らしいとしかいえません。


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