ブラームス/ホルン三重奏曲

マーティン・ハックルマン(1998)
CD(CBC Records MVCD1133)

1.ブラームス/ホルン三重奏曲変ホ長調Op40
2.グスタフ・イェンナー/クラリネット、ホルンと
     ピアノのための三重奏曲変ホ長調
3.ブラームス/6つの歌曲(ハックルマン編)
    1)調べのように私を通り抜けるOp105−1
    2)愛の歌Op71−5
    3)恋人をたずねてOp48−1
    4)五月の夜Op43−2
    5)夜鳴きうぐいすに寄すOp46−4
    6)おお、帰り道さえわかればOp63−8

   マーティン・ハックルマン(ホルン)(1〜3)
   マーティン・ビーヴァー(ヴァイオリン)(1)
   ジェームズ・キャンベル(クラリネット)(2)
   ジェーン・クープ(ピアノ)(1〜3)
   録音 1998年10月22、23日&12月1日

 カナダ生まれのホルン奏者マーティン・ハックルマンの室内楽作品です。ブラームスと弟子のグスタフ・イェンナーの作品が収録されています。
  ハックルマンのブラームスは第1楽章のヴァイオリン、ピアノとの調和のとれた響きが実に素晴らしく、伸びやかなホルンとヴァイオリンの表情付けがぴったり合って新鮮な印象を受けます。ホルンのきれいなレガートも絶品で音色のきれいなこと、時にはブレインを彷彿させる音楽になっています。第2楽章:スケルツォを聞いてもブレインが吹いているような気がするほど音色、イントネーションが似ています。第3楽章:アダージョ・メストの奥深い響き、ヴァイオリン、ピアノとの対話の美しいこと、ホルンのまろやかな響きのよさも聞きもの。第4楽章:アレグロ・コン・ブリオの勢いのある演奏は実に楽しそうです。ピアノのきらめきも素晴らしく、この演奏は数ある録音の中でも特筆すべき名演といえましょう。
  グスタフ・ウーヴェ・イェンナー(1865〜1920)はブラームスの弟子で室内楽を多く作曲しています。このクラリネット、ホルンとピアノのための三重奏曲は1900年の作品でブラームスの影響を強く受けた作品というより、まるでブラームスの作品のようです。クラリネット、ホルンが対等に歌うところはデュオといっても良いほどでホルン作品の中でも傑出した作品といってよいでしょう。もっと録音されて良いと思います。4つの楽章があり26分あまりの大曲です。第3楽章:プレストはこの作品のなかでもトリオの響きのよさとうまさが光ります。
  ブラームスの6つの歌曲はブラームスの数多くの歌曲集から6つの歌曲を選んでハックルマンがホルンのために編曲したものです。ブラームスの美しいメロディをホルンで聞く楽しみはまた良いものです。ブラームスによるホルンのための6つの小品といっても良いでしょう。


トップへ
戻る
前へ
次へ




inserted by FC2 system