ヒンデミット/ホルン作品

アルトホルン・ソナタ/リン・ジャン(2007)
CD(MELBA MR 301116)

リン・ジャン/ホルン・リサイタル
1.シューマン/アダージョとアレグロOp70
2.P・M・デイヴィース/シー・イーグル
            〜ソロ・ホルンのための
3.シューラー/夜想曲(1943)
4.エサ=ペッカ・サロネン/ホルンムジーク T
5.プーランク/エレジー(1957)
6.マラン・マレ/ル・バスク(D・ブレイン編)
7.ヒンデミット/アルトホルン・ソナタ(1943)
8.バッハ/ジーグ〜無伴奏チェロ組曲第3番
      ハ長調BWV1009より(ホス編)
9.ケッティング/イントラーダ(1958)
         〜ソロ・ホルンのための
10.サデウス・ハング/アンコール、My Good Sir
    リン・ジャン(ホルン)
    ベンジャミン・マルティン(ピアノ)
         (1、3〜7&10)
  録音 2007年9月13〜18日
     メルボルン/イワキ・オーディトリウム

 オーストラリアで活躍する若手ホルン奏者リン・ジャンのアルバムです。21歳とは思えない完璧な演奏です。 
 アダージョとアレグロは安定した音色でイントネーション、タンギングは素晴らしく巨匠のような演奏です。ピーター・マックスウェル・デイヴィースのシー・イーグルは独奏ホルンのための作品。3つの楽章で大変な難曲です。フラッター・タンギングが実に見事です。
 ギュンター・シューラーの夜想曲は17〜8歳のときの作品。シューラーはシンシナティ交響楽団の首席ホルン奏者でした。大変きれいな作品です。
 同じくホルン奏者だったエサ=ペッカ・サロネンは指揮者として有名ですが、作曲家としても知られ、このホルンムジーク T(ホルンのための音楽 その1)はホルンとピアノのための作品で8分ほどの曲です。特殊奏法はまったく使わないノーマルな曲ですがかなりの難曲でしょう。リン・ジャンはこの曲を何の苦も無く吹いているようです。
 プーランクのエレジーはまるでタックウェルが吹いているかのような速いテンポで冒頭を吹いています。音を割って吹いているところは迫力あります。後半は堂々とした吹きっぷりで大きな音楽を作っています。
 ブレインの愛奏曲「ル・バスク」は派手さはないものの実に見事な演奏です。ヒンデミットの「アルトホルン・ソナタ」はホルン・ソナタよりも親しみやすいように思います。この作品の魅力を十分に引き出した演奏です。
 バッハのジーグはアンコール作品としてはあまりに難しい曲です。リン・ジャンはすでに巨匠並みの演奏をしています。
 ケッティングのイントラーダは4分ほどの小品。自然を音楽にしたような美しさがあります。最後のサデウス・ハングによる作品「アンコール、My Good Sir」はアンコールとしてはあまりに難しい作品です。
 それにしてもこれだけの超難曲を入れたアルバムを録音したリン・ジャンはどんな演奏家になるのでしょうか。次はどこのポストを得ることでしょう。


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