デュカス/ヴィラネル

オーシル・ヘンリクセン(2005)
CD(nosag nosagCD120)

ホルン協奏曲集
1.デュカス/ヴィラネル(ブヤノフスキー編)
2.モーツァルト/ホルン協奏曲第1番二長調
3.ラーション/ホルンと弦楽のための小協奏曲
4.サン=サーンス/演奏会用小品Op94
5.グリエール/ホルン協奏曲変ロ長調Op91

  オーシル・ヘンリクセン(ホルン)
  ハンヌ・リントゥ指揮
   ヘルシンボリ交響楽団
   録音 2005年5月24〜28日
       
 ヘンリクセンはノルウェー生まれのホルン奏者、ノルウェー音楽アカデミーでフロイディス・リー・ヴェクレに師事した後、ドレスデンでペーター・ダムに師事しています。スウェーデンのヘルシンボリ交響楽団の首席ホルン奏者です。
 デュカスのヴィラネルはブヤノフスキーの編曲によるオーケストラ版での演奏です。ゆったりとしたテンポの演奏で表情豊かにホルンを吹いています。後半ではテンポを落としてこの曲のイメージを一新するような見事な演奏です。
 モーツァルトのホルン協奏曲は第2楽章でユーリセンの編曲版を使用しておりきれいなカデンツァを披露しています。
 ラーションのホルンと弦楽のためのコンチェルティーノは他にヘルマンソンとスティーヴン・グロスの録音があるだけの貴重な録音です。ヘンリクセンの演奏は美しい響きで時には力強い音でこの曲を歌い上げています。第3楽章の鮮やかなタンギングは素晴らしい。
 サン=サーンスの演奏会用小品は女性ホルン奏者としては初めての録音となります。低音から高音までなめらかに見事なテクニックを披露しています。
 グリエールのホルン協奏曲は女性ではノイネッカーに次ぐ2人目の録音です。(エルカルプは2006年で3人目)演奏の素晴らしさは多くの男性陣も真っ青になるような見事なものです。音色がやわらかでしかもレガート、タンギングの技術が素晴らしい。ホルンの音はあばれることなく安定した音で吹いてくれます。カデンツァは強弱をつけた雄大かつ長いカデンツァです。第2楽章、第3楽章と表現力豊かな演奏で、この超難曲をいとも簡単に吹いているように感じられます。息継ぎが絶妙でエンゲルベルト・シュミットのホルンを自在に吹きこなすこのホルン奏者の腕には驚きました。


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