ナチュラルホルンの録音

ベートーヴェン、リース/ホルン・ソナタ/塚田聡(2008)
CD(浜松市楽器博物館 LMCD-1876)

1.ベートーヴェン/ホルン・ソナタ ヘ長調Op17
2.リース/ホルン・ソナタ へ長調Op34
3.モーツァルト/ホルン協奏曲第3番変ホ長調
4.狩猟ホルンによる信号
  塚田 聡(ナチュラルホルン)
  小倉貴久子(フォルテピアノ)(1〜3)
  録音 2008年7月1〜3日
  アクトシティ浜松音楽工房ホール

 浜松市楽器博物館がコレクションしているナチュラルホルンを使って演奏したアルバムです。ピアノは19世紀初めのピアノフォルテを使用しています。塚田聡は東京フィルのホルン奏者。ナチュラルホルンはクロード・モーリーとトゥーニス・ファン・デァ・ズヴァールトに師事しています。
 このアルバムを聴いて驚きました。塚田のホルンのあまりにも正確で完璧な演奏には唖然としました。ベートーヴェンは1841年製フランスのクルトワのF管ホルンです。大変良い音の出るホルンです。ゲシュトップは遠慮なく使っており、半端な使い方をしていませんので金属的な響きを全曲にわたり聴かれます。それにしても素晴らしい演奏です。音程の正確さは抜群です。
 リースのホルン・ソナタは1854年のクルトワでこちらは差し替え管のあるインヴェンション・ホルンです。ベートーヴェンとは若干響きの違いがありますが演奏の素晴らしさは変わりません。この難曲をすらすら吹いています。低音の太い音はナチュラルホルンらしいです。第3楽章:ロンドは速いテンポでこれがまた凄い演奏です。    
 モーツァルトのホルン協奏曲第3番もピアノ伴奏です。優しい響きのピアノフォルテと比べて大きい音の出るホルンは目立ちます。こちらは1835〜37年のデュボワでE♭管ホルンです。F管よりも落ち着いた響きに聞こえます。この3番の協奏曲はハンドストップを使う音が多いので不自然な音が続きますがそれにしてもさすがに名曲で飽きません。カデンツァが塚田のオリジナルで素晴らしい演奏です。第3楽章:ロンドの速いテンポの演奏も素晴らしい。師匠ズヴァールトもびっくりの演奏でしょう。
 狩猟ホルンによる信号は5つの狩猟ホルンを使いそれぞれ2曲ずつ吹いています。自然倍音だけで演奏しますので太い音が響きます。 


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