モーツァルト/ホルン協奏曲全集

ヘンリク・カリンスキ(1993)
CDR(GALLO CD-682)

モーツァルト/ホルン協奏曲全集
1.ホルン協奏曲第4番変ホ長調K495
2.ホルン協奏曲第3番変ホ長調K447
3.ホルン協奏曲第1番ニ長調K412
4.ホルン協奏曲第2番変ホ長調K417

  ヘンリク・カリンスキ(ホルン) 
  ハワード・グリフィス指揮
   ポーランド室内管弦楽団
   録音 1993年

 ヘンリク・カリンスキはポーランドのホルン奏者です。カリンスキのホルンは明るく美しい音色です。
 ホルン協奏曲第4番は大変美しい響きのホルンでモーツァルトの作品によく合います。レガート、スラーのうまさ、音楽性ということありません。オーケストラの弦楽の美しさも特筆ものです。カデンツァはなんとデニス・ブレインのものを吹いています。良い響きのホルンです。第2楽章は丁寧にのびやかに演奏しています。美しいロマンスです。第3楽章は軽やかなロンドです。とても気持ちの良い響きです。モーツァルトを聴く楽しみがあります。コーダ前のカデンツァはありません。
 ホルン協奏曲第3番は序奏からホルンが大きく響きます。表現力がためされるこの3番でカリンスキは豊かな響きで歌っています。深みのあるホルンで巧みな演奏をきかせます。弦楽の美しさはこれも素晴らしいものです。カデンツァはここでもデニス・ブレインのものを吹いています。第2楽章は美しいロマンスです。朗々と歌うホルンがきれいです。第3楽章は軽快なアレグロ、途中でテンポを落とすという珍しい演奏です。これも素晴らしい演奏です。
 ホルン協奏曲第1番は序奏の弦楽の美しい響きがききもの。カリンスキのホルンは時に軽いビヴラートがかかってきれいな演奏です。この1番の美しさを改めて感じました。第2楽章はその美しさと転調の巧みなモーツァルトの作品の素晴らしさを感じます。(ジェスマイアー版)
 ホルン協奏曲第2番は朗々としたホルンがきれいです。なお第1主題は「ミレドレド」で終わるところを「ミレドレミ」で終わる版を使用しています。第2楽章は朗々と美しいホルンが流れます。第3楽章は軽やかなロンドです。流麗なホルンです。このカリンスキのモーツァルトはホルンの美しさと楽しさを感じさせる名演です。


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