ブリテンのホルン作品

セレナード、夜想曲/クリストファー・パークス(2018〜19)
CD(Harmonia Mundi HMM-902267)

ブリテン/声楽作品集
1.イリュミナシオンOp18〜テノールと弦楽
2.セレナードOp31〜テノール、ホルンと弦楽
3.夜想曲Op60〜テノールと管弦楽

 アンドルー・ステイプルズ(テノール)
 クリストファー・パークス(ホルン)
 ダニエル・ハーディング指揮
  スウェーデン放送交響楽団
  録音 2018年3月&
      2019年5月
 ベルワルト・ホール(ストックホルム) 

 ハーディング指揮によるブリテンの歌曲集です。クリストファー・パークスのホルンはイギリスのホルン独特のうまさがあります。 
 「イリュミナシオン」は弦楽伴奏の歌曲として名曲です。10曲の歌が歌われます。ステイプルズのテノールはきれいな歌唱で素晴らしい演奏です。弦楽の勢いのある演奏が素晴らしいです。見事な演奏です。
 「セレナード」はテノール、ホルンと弦楽のための作品です。クリストファー・パークスのホルンによる「プロローグ」は独奏ホルンで、バルブなしで演奏しますが、十分にホルンを響かせる見事なものです。第2曲「パストラール」はステイプルズのあまいテノールとホルンの対話がきれいです。第3曲「ノクターン」は冒頭の弦楽の緊張感あふれる演奏が素晴らしい。テノールと弦楽の遠近感のある響きも印象的です。ホルンの響きも明るいです。ミュート音もきれいです。第4曲「エレジー」はホルンの半音階的ロングトーンが良い響きです。ハイトーンもきれいです。第5曲「ジーグ」では弦楽の盛り上がりの緊張感とホルンの強奏が聞き所。第6曲「賛歌」ではホルンの鮮やかな演奏がテノールと交錯する見事なものです。第7曲「ソネット」はテノールのあまい歌唱と弦楽の響きが聞き所、第8曲「エピローグ」はステージ裏から「プロローグ」と同じ演奏が響きます。この「セレナード」は素晴らしい演奏です。
 「夜想曲」は8つの曲で構成される歌曲で、ステイプルズのテノールです。第1曲は弦楽のみ、第2曲ではファゴット、第3曲ではハープがオブリガート楽器になります。第4曲でホルンを吹くパークスの演奏は素晴らしく、大変良い響きです。ミュート音もきれいです。第5曲のティンパニ、第6曲のイングリッシュ・ホルンもまた良い響きです。第7曲で聴かれるフルートとクラリネットの演奏はこれも聞きものです。この「夜想曲」も見事な演奏です。 


トップへ
戻る
前へ




inserted by FC2 system